先週の金曜日の関東地方は大雪になり、
編集部の周辺も夕方からの降雪で深夜には大雪となった。
列車は遅延し(JR東日本のデジタル化がこんなに悔しいとは)、街から人が消えた。
2月14日は2月25日発売のラジオライフ4月号の締め切り直前ということで、
終電間際まで編集部で作業をしていた。
ふと、思った。正月に映画「八甲田山」を見てしまったことが引き金になっているのだが、
家まで歩いて帰ったらどうなるのか。
ブログのネタにもなるし、消防無線を聞きながら歩くのも面白そうだ。
40数年ぶりの大雪ってことは、私の人生の長さを考えたらもう一生こんなチャンスはないかもしれない。
やってみよう雪中行軍を!
八甲田山のように生命の危機もないだろうし…。
ただ、自分に試練を与えるため、終電がなくなる時間に動くことにした。
途中で電車にエスケープさせないためだ。
かくして、バレンタイデー深夜の雪中行軍がスタート。
ツイッターとフェイスブックにアップしながら、行軍すればけっこうおもしろいのではとも思った。
見てくれている読者さんがいれば、それも励みになるしね。
そう思って雪中行軍を決行! シベリアの零下40度での強制労働に比べればたいしことはない。
編集部を出てすぐ、神田駅周辺でゼロクラと遭遇。
この時はまだ余裕。写真もぶれていない。降雪もそんなでもない。
行軍は続く。 しばらくして、救急車のサイレン。無線が聞けないのがつらい。 というよりも風が強くなって雪が横殴りになってきた。
こっちのほうがツライ。 上着は雪だらけ。 それを手ではたくと手が冷たい。
ツイッターやフェイスブックにアップするためにiPhoneを操作する手がかじかむ。
それと電池の消耗が激しい。これは電池がもたない。
東京FMの「あ、安倍礼司」の舞台である神保町駅を過ぎる。
ここから一気に九段に向かって坂を登り、 靖国神社へ行ってみよう。
誰も歩いていない境内を行軍するのだ。
九段下までは人影もあり、歩道も歩きやすかったが、 九段の坂にかかると除雪もされておらず、
人が歩いた轍も降雪に埋もれている。
滑る路面で歩きにくい。 ズルズルしながら九段の坂を登り切ると、そこには靖国神社が! 大きな鳥居を臨む。境内は真っ白。
先人の足跡も雪の中。 足がずぼずぼとめり込み、相当な抵抗。
ラッセルしながら歩く。 もう真夜中になにをやんてんだが。
iphoneの電源は落ちでしまい、ツイッターやフェイスブックへのアップもできず仕舞。
ただ1人り 雪中を突き進んでいくと、ど真ん中に一直線の轍を発見。
その轍をたよりに行軍。 天は我を見放してはいなかった!
外気は寒いが歩きにくいので上半身は汗。
そう、この水分が冷えてきて寒さが増すのだ。
ふと、風吹のなか前方に人影を発見。靖国神社の警備員だ。
定期巡回なのであろう。大変な仕事だ。 轍の先を歩いている。彼が轍を作っている。これはラッキー。
しかし、途中で警備員は停止。私は警備員にあいさつをして追い抜く。
なんでも先にあいさつすれば不審者だと思われない。
ここから先は前人未踏の雪中行軍。 靴はずぶ濡れ。足が痛い。
そして本殿を前にして2.15 深夜の靖国参拝を行う。もちろん私人としの参拝だ。
このあとのことはよく覚えていない。
朝の29時間でやっている、やまだひさしの「ラジアンリミテッドF」を聞きながら、
というかこれを元気のもとにして歩いた。
気が付けば2時間以上かかかって家に着いた。
アホらしい雪中行軍であったが、人生いい経験になった!
なにごとも自分でやってみることだね。
(編集部/関口岳彦)