たん白加水分解物の安全性はとくに問題はない
「たん白加水分解物」は、即席だしなどで使われている調味料。たん白加水分解物は、2種類の分解方法があります。このうち、塩酸を使って分解する方法は塩素化合物ができて問題だという指摘があるのです。はたして、たん白加水分解物は私たちの体に害を及ぼすものなのでしょうか?
たん白加水分解物で塩素化合物
「たん白加水分解物」とは、文字どおり肉や魚、大豆などのたんぱく質を分解したもの。調味料としてさまざまな食品に使われています。たんぱく質は、アミノ酸がたくさん結合した状態のものです。ですから、それを分解すると、アミノ酸やそれがいくつも結合したもの(ペプチド)になります。
これらは旨味があるので、調味料として使われているのです。普段から食されているたんぱく質を分解していることから、添加物ではなく、食品に分類されています。
ところで、たん白加水分解物は、酵素を使って分解する方法と塩酸を使って分解する方法とがあり、塩酸の場合、副産物として塩素化合物ができ、それが問題だという指摘があります。
たん白加水分解物に問題はない
確かにたんぱく質に塩素が結合すると、塩素化合物になります。一般に塩素化合物は、毒性のあるものが多いので、この指摘も一理あります。
ただし、私たちは毎日大量のたんぱく質を肉や大豆などから摂取しており、それが塩酸を主成分とする胃液で満ちた胃の中に入っていきます。すると、当然ながらたんぱく質と塩酸が反応して、大量の塩素化合物ができているはずです。
しかし、それが問題になっているということはありません。もし問題であるなら、私たちはたんぱく質を摂取することができなくなります。したがって、仮にたん白加水分解物中に塩素化合物が微量できていたとしても、実際にはそれほど問題にはならないと考えられます。
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