シニア保険は保険料を最小限に抑え貯蓄を活かす
医療技術の向上などで、日本人の寿命は年々延び続けています。現在の平均寿命はおよそ84歳。これからの時代、90歳以上まで生き続ける人も決して珍しくはありません。こうした変化は、じつは保険の世界に大きく影響します。50代から60代を想定対象にしたシニア向け保険の選び方を考えてみましょう。
シニア保険は医療保険の必要性が上がる
長生きをするということは、それだけ病気のリスクも大きくなるということ。それと同時に、死亡することがリスクとして評価されなくなるということでもあります。
長生きするにつれて、その人が亡くなることによる周囲の家族への金銭的な影響は少なくなります。亡くなったときに葬儀などへの支出は生じますが、収入が絶たれてしまい、生活できなくなる人が出てくる可能性は低くなります。
シニア向け保険で考えると、医療保険の必要性は上がりますが、生命保険は求められなくなるのです。そのため、平均寿命が延びていくにつれて、医療保険の保険料は上がり、生命保険の保険料は下がっていくのです。
このような平均寿命の伸長は、保険料の変化という意味以外でも、私たちの老後生活に大きく影響することになります。
シニア保険にありがちな危険な考え方
自分が80歳くらいで亡くなることを前提としているか、90歳や100歳になるまで生きるかもしれないと考えるかで、人生プランや必要な貯蓄などが大きく変わります。それに伴って、求める保険のタイプや保障内容も変わってくるでしょう。
このような話を聞くと、病気のリスクが増えるのであれば、それをカバーするように保険を充実させなければと焦ってしまう人もいるかもしれません。しかし、その考え方はシニア保険ではとても危険です。
近年、日本では保険料を払いすぎている人が多い傾向にあります。景気などへの不安から、とにかく保険に入って備えようと考える人が多いのです。しかし、とくに老後を考えるうえでは、これは逆効果。保険に多く加入すればそれだけ毎月の保険料が増え、かかる費用がかさんでいってしまいます。
シニア保険はお得なものを厳選すべし
高齢になり定年退職を迎えると、その後の収入は大きく下がります。また、反対に医療費などの支出は増加。そこに過剰な保険料がかかっていると、大きな負担になります。
こういった長生きのリスクが増えていくからこそ、シニア向け保険は保険料を最小限に抑え、貯蓄を活かさなければいけません。また、入る保険もできる限りお得なものに厳選するべきです。
長生きできるということはもちろん喜ばしいことですが、同時に、経済的には大きな危うさを孕んでもいます。長生きする分だけ必要な生活費などは多くなってしまいます。つまり、シニア世代が保険を無駄なく活用するのは、そんなシニアの生活を充実したものにするための第一歩なのです。