ワインの酸化防止剤は毒性のある亜硫酸塩だった
ワインのラベルを確認すると、その多くに酸化防止剤が添加されています。ワインに酸化防止剤として添加されているのは亜硫酸塩という物質。亜硫酸塩は、いくつか種類がありますが、ワインによく使われているのは二酸化硫黄です。ワインの酸化防止剤として使われる二酸化硫黄を詳しく見ていきましょう。
亜硫酸塩の一種である二酸化硫黄
亜硫酸塩の一種である二酸化硫黄は、空気中に0.003%以上存在すると植物は枯死し、0.012%以上存在すると人体に害があります。ちなみに、2000年に三宅島が噴火した際、住民が島の外に避難し、その後なかなか島に戻れませんでしたが、空気中の二酸化硫黄の濃度が高かったからです。
ワインに二酸化硫黄を添加する目的は、酵母が増えて発酵が進み過ぎるのを抑えたり、雑菌を消毒したりするためです。また、ワインが酸化して変質するのを防ぐ働きもあります。それで、「酸化防止剤」と表示されているのです。
しかし、二酸化硫黄を0.01%および0.045%含む水および赤ワインを、ラットに長期にわたって毎日飲ませた実験では、肝臓の組織呼吸に障害が認められました。厚生労働省は、ワイン中の二酸化硫黄の量を0.035%に規制しています。
亜硫酸塩には成長を悪くする心配
ということは、市販のワインを飲み続けた場合、肝臓に悪影響が出る可能性が高いということです。いくら酵母の発酵を抑えたり、雑菌の増殖を防いだりするためとはいえ、こうした毒性物質を飲みものに添加することは大きな問題があると言えるでしょう。
亜硫酸塩は、二酸化硫黄のほかにピロ亜硫酸Na、ピロ亜硫酸K、亜硫酸Na、次亜硫酸Naなどがありますが、いずれも硫黄化合物であり、毒性があります。
二酸化硫黄も含めて、いずれも水に溶けると亜硫酸となりますが、これは胃や腸の粘膜を刺激し、またビタミンB1の欠乏を引き起こし、成長を悪くする心配があります。