不動産は生前贈与するよりも相続のほうがお得
贈与や相続を行う際に、とくに注意が必要になってくる財産のひとつが「不動産」です。生前贈与で不動産をやり取りするときは、ほかの財産を贈与する場合に比べて失敗したり、損をしたりしてしまう可能性がとても高くなります。高額の財産を一括で移動させる場合、相続の方が得になることが多いのでした。
不動産を生前贈与すると高額の税金
不動産の生前贈与では、どのような場合に問題が起こるのか、それを解決するにはどうすればいいのか、不動産でのみ課せられる税金の問題と合わせて、不動産の贈与と税金の問題について確認しましょう。
不動産はとても価値の高い財産です。そのため、これを相続や贈与でやり取りすると、非常に高額の税金が課せられることになります。
そこで問題になるのが、相続税と贈与税の税率の違い。生前贈与すれば相続税を安くできると単純に考えて不動産を贈与してしまうのは非常に危険です。
高額の不動産は生前贈与より相続が得
たとえば、評価額が5000万円になる物件を生前贈与した場合、基礎控除額の110万円を差し引いても贈与額は4890万円になり、贈与税の税率は55%となります。これを計算すると、特例税率で約2110万円、一般税率なら約2350万円の贈与税が課せられることになるのです。
これに対して、同額の財産を相続する場合の相続税は、仮に相続人がひとりだとしても基礎控除額が3600万円。1400万円が課税財産になるため、税率はわずか15%です。
控除が50万円なので、納める税額はわずか160万円で済みます。この違いを考えると、高額の財産を一括で移動させる場合、生前贈与より相続の方が得になることがわかります。
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