高額な不動産の生前贈与で贈与税を抑える方法

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生前贈与で不動産をやり取りするときは、ほかの財産を贈与する場合に比べて失敗したり、損をしたりしてしまう可能性がとても高くなります。生前贈与すれば相続税を安くできると単純に考えて不動産を贈与してしまうのは非常に危険です。高額の財産を一括で移動させる場合、相続の方が得になります。

不動産物件の生前贈与に大きな非課税枠

そうはいっても、不動産物件を生前贈与することができないのかというと、そんなことはありません。特定の条件を満たした配偶者に、住宅資金や不動産そのものを贈与する場合には、大きな非課税枠が与えられる特例があります。

また、20歳以上の子どもや孫へ贈与を行う場合には、高額の控除枠が与えられ、さらに、その枠以上の財産を贈与する場合にも、課せられる贈与税が低税率になる相続時精算課税制度という制度が存在しています。この制度で贈与した財産にかかる贈与税は、相続開始時に相続税へと切り替えることができます。

これを利用すれば、高額な不動産物件であっても贈与税の負担を抑えつつ、一括で贈与することができるのです。もし賃貸物件のような収入を得られる物件を贈与するときは、この制度を利用して納税資金を準備するといいでしょう。

不動産であっても暦年贈与が可能

さらに、不動産であっても、ほかの相続財産のように、毎年１１０万円の控除額を利用して暦年贈与で贈与していくことが可能です。

ただし、これも注意が必要。先ほども述べたように、不動産の相続や贈与は、登記を行ったことで初めて完了になります。そのため、毎年１１０万円分ずつ贈与していくと、その度に登記を行うことになり、金額分の登録免許税や不動産取得税がかかってくるのです。

さらにこの手続きは、かかる費用だけでなく、とられる時間や手間も相当なもの。かといって手続きを専門家に依頼すると、さらなる費用が必要になります。

これらの条件を考慮し、どの程度の節税効果が得られるのかをきちんと計算したうえでないと、不動産の暦年贈与は、たいした利益もなく、手間ばかりとられてしまうという場合もあり得るのです。