不動産の相続では建物の用途で評価額が変動する
相続財産で不動産の評価が難しくなる理由は、土地と建物をそれぞれ個別に評価額を算出しなければならないからです。しかも、不動産は株式などと同様に刻々とその価格が変化していきます。そして、土地の評価方法として用意されているのが、路線価方式と倍率方式です。ただし、この価格はあくまで目安にすぎません。
不動産の相続に土地のかたちも影響
不動産の相続における土地の価格の評価には、広さだけでなく土地のかたちも関わってくるため、一概にはいえないのです。整形地とよばれる四角形の土地ならそれだけ評価は高くなりますが、L字型などの場合は、それだけで評価が下がってしまいます。
一方の建物の評価価格ですが、建物が住宅用である場合は固定資産税評価額と同額。固定資産税は土地の所有者が毎年納めているはず。もし相続した土地の固定資産税評価額を知りたければ、まずは被相続人が受け取った納税通知書を探し、その金額を確認することです。
このように建物の価格についてはすぐに知ることができます。しかし、もし賃貸に利用していたり、相続したのが貸家・アパートだった場合には、その評価額の計算が変わります。土地と建物それぞに評価方法が決まっています。
不動産の相続では特例もしっかり確認
住宅を相続し、そのままそこに住み続けたいと考えた場合、相続人が受けることができる小規模宅地の特例というものも用意されています。これは不動産による多額の相続税のために、ずっと住んでいた家を追われてしまうような事態を避けるために作られた制度です。
被相続人の配偶者なら無条件で、同居していた親族なら相続税の申告時までその家に住み続けることを条件に、相続する土地の評価額を80%も引き下げることができます。また、別居していた親族であっても、特定の条件を満たせば適用可能です。
これに加え、2020年からは改正民法の施行が決定。配偶者は優先的に住宅を相続することができるようになります。単なる財産ではなく、相続人の「住」を支える不動産の相続。こういった特例などもしっかりと確認し、遺族の負担にならないように相続できるようにすることが大切です。