不動産の登記変更は葬儀後なるべく早く行う理由
不動産の相続でトラブルを避けるためには遺産分割協議書が有効です。遺産分割協議書には、法定相続人の署名と印鑑が必要。しかし、祖父から父に相続したときの法定相続人となれば、今回の相続人の父とその兄弟、叔父や叔母たちです。しかし、父と同様に、彼らがすでに亡くなっている場合もあります。
遺産分割協議書作成に10人以上の印鑑
その場合、その叔父や叔母から相続権を引き継いだ子どもたち、つまり、相続人にとっての従兄弟に、署名と捺印を求めなければいけないのです。場合によると、遺産分割協議書作成のために、10人以上の親戚に印鑑を求める必要がでてくることすらありえます。
この手続きは、父から母への相続の場合も同様に行う必要がでてきます。こちらの法定相続人は、相続人本人とその兄弟になるので、もしまだ母の相続のために集まる機会があるのなら、そのときに頼めば問題はないとも考えられます。
ただし、すでに相続も完了しており、兄弟が遠方に住んでいる場合などは、手続きが大変になるかもしれません。郵送でも不可能ではありませんが、できればまとめて準備しておきましょう。
このような協議書を用意することができて初めて、その住宅を相続人が承継したこと、所有権を持っていることが証明されます。
不動産の相続による名義変更が完了
登記申請に必要なのは、「所有権移転登記申請書」、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本と住民票、固定資産評価証明書、印鑑証明、そして先ほど説明した、遺産分割協議書です。
登記申請書とは、法務局に名義変更を申請する書類のこと。書式は自由ですが、法務局のウェブサイトから雛形をダウンロードすることもできます。
申請の方法が複雑なので、間違いがないように司法書士に書類の作成やその他の事務作業を依頼するのが一般的です。この書類を用意できたら、それを不動産の所在地管轄の登記所へと提出します。
これらの書類を提出すると、約1~2週間ほどで、登記識別情報通知が発行されます。これを受け取った時点で、ようやく不動産の相続による名義変更が完了になるのです。
祖父の名義のままになっている住宅を母から相続することになった場合、以上の遺産分割協議書の作成と名義変更の手続きを、2回にわたって行わなければなりません。
自分の子どもたちにそんな手間を残さないために、物件を売却する予定がない場合でも、不動産の登記変更は、葬儀が終わったら、できるだけ早く行っておくべきです。