「争続」を避けるなら話し合いと遺言書が重要
被相続人が亡くなったとき、相続人がひとりであれば、決して揉めることはありません。しかし、そのようなケースはごく稀。ほとんどのケースで、配偶者と子ども、配偶者と親など、複数の相続人がいるのが一般的です。相続を円満に乗り切るためには普段から財産について話し合ったり、被相続人の意思がはっきりわかる遺言書を用意するのが一番です。
争続に発展することも珍しくない
相続人はそれぞれ法律で認められている相続分に応じて、相続財産についての権利を持つことになりますが、それが場合によっては仲のよい家族を険悪にしてしまう「争族」に発展してしまうこともめずらしくありません。
そのような争続を避けるためにはどうしたらよいのでしょうか。まずは、相続とはどういうことかを理解しておくことです。相続人の範囲や財産の分配法などといった基本的なことを知っておくことが大切です。
また、相続させる側と相続する側、つまり被相続人と相続人が生前に話し合っておくこともポイントです。「生きているうちにそんな話をするなんて」と思いがちですが、それは大きな間違い。
争続を避けるには相手を思いやる心
話し合えるうちに財産の確認や被相続人の意思を聞いておきましょう。もちろん口約束ではなく、遺言書として残すことが重要になります。法的効力のある遺言書があれば、被相続人亡き後のトラブルを回避することができるのです。
遺言執行人を決めておくこともポイントになります。手続きを執行してくれるリーダー的な存在がいれば遺産分割もスムーズに進むでしょう。
また、いざ遺産分割協議を行おうとしたら連絡がとれない相続人がいるというケースもよくあります。そんなことのないように相続人同士が日頃から連絡を取り合うことも大切です。
いずれにせよ、相続人各自が自分の利益だけを求めるだけでなく、相手の立場を思いやる心を持つことが重要。 その気持ちがあれば、決して「相続」が「争続」になることはないでしょう。