事業承継で非上場企業の株式評価はかなり複雑
事業を承継・相続する場合、気になるのは相続税や贈与税の金額でしょう。株式を相続し、事業を引き継ぐ場合でも、相続税率は変わりません。しかし、株式の評価額の基準は時価。いつ評価するか、すなわちいつ贈与や相続をするかで、金額が変わってくるのです。事業承継で株式を評価する方法を見ていきましょう。
事業承継で非上場企業の株式の評価額
事業承継で相続する株式が上場企業のものなら取引価格から価値を確認することも可能ですが、非上場企業の場合はそうもいきません。ここでは、その評価額の調べ方と、少しでも安く承継するための方法を紹介します。
非上場企業の株式の評価額は、誰から誰に受け渡されるのかによって金額が変わります。その株式を受け取った人物が、会社の経営支配力を持っている株主と親族である場合とそうでない場合とで、その相続財産の評価方式が変わるのです。
まず、親族の場合は「原則的評価方式」によって計算されます。この計算法の場合、さらにその会社の規模によって計算の基準が変わるので、より複雑です。ちなみに会社の規模は、総資産額と従業員数、取引金額によって、大会社、中会社、小会社に分けられます。
事業承継する会社規模の区分基準
事業承継する会社規模の区分基準で「大会社」となるのは、卸売業で総資産価額および従業員数が「20億円以上で従業員数50人超」で、直前期1年間の売上高が「80億円以上」です。小売り・サービス業はそれぞれ「10億円以上で従業員数50人超」「20億円以上」となります。
そのほかの区分では、卸売業で総資産価額および従業員数が「10億円以上で従業員数50人超」で、直前期1年間の売上高が「20億円以上」で「大会社」です。
「中会社」となるのは、卸売業で総資産価額および従業員数が「7000万円以上で従業員数5人超」で、直前期1年間の売上高が「2億円以上80億円未満」。小売り・サービス業でそれぞれ「4000万円以上で従業員数5人超」「6000万円以上20億円未満」。そのほかはそれぞれ「5000万円以上で従業員数5人超」「8000万円以上20億円未満」となります。
「小会社」となるのは、卸売業でそれぞれ「7000万円以上で従業員数5人以下」「2億円未満」、小売り・サービス業でそれぞれ「4000万円以上で従業員数5人以下」「6000万円未満」、そのほかでそれぞれ「5000万円以上で従業員数5人以下」「8000万円未満」です。