事業承継で非上場企業の株式はどう評価される?
事業承継で、非上場企業の株式の評価額は、受け取った人物が親族の場合は「原則的評価方式」によって計算されます。この計算法の場合、さらにその会社の規模によって計算の基準が変わるので、より複雑です。ちなみに会社の規模は、総資産額と従業員数、取引金額によって、大会社、中会社、小会社に分けられます。
事業承継の大会社と中会社の評価方式
事業承継で大会社を評価するときに使うのは、類似業種比準方式という方法。これは、類似企業の株価から、一株ごとの配当金額、利益金額、純資産価額を基準にして評価し、計算します。この類似業種の種目や株価については、国税庁のホームページから確認できるので、気になる場合は調べてみるのも方法のひとつです。
事業承継で小会社は、純資産価額方式が適用されます。これは、会社の総資産や負債を相続税評価として計算し、プラスとマイナスを整理、そこから「法人税額等相当額」を差し引いて計算します。
この法人税額等相当額とは、法人税、事業税、住民税の税率の合計のこと。この割合が38%になるので、純資産価額方式で算出される課税相続価額は、総資産から負債を差し引いた金額の62%相当になります。
事業承継における中会社の評価は併用
事業承継における中会社の評価に関しては、ふたつの方式の併用によって行われます。中会社のなかでも大、中、小の分類があり、それによって評価額の算出法が変わってきます。類似業種比準方式と純資産価額方式のふたつの方式を、それぞれどのくらいの割合で利用するかが変わります。
中会社(大)の場合、大会社に近いため、類似業種比準方式が90%、純資産価額が10 %です。中会社(中)なら、75%対25%、中会社(小)なら60%対40%になります。
一方、相続や贈与を受ける相手が親族でない場合には特例的な評価方式が採用されます。その方式とは、配当還元方式というもの。これは、株式から得られる1年分の配当金額を10%として、元の株式価額を計算する方法です。
これらの計算は複雑なものなので、相続や贈与などを行う際には、税理士など、専門家に計算を頼むのがよいでしょう。