事業承継では純資産価値を下げるという選択肢
事業を承継・相続する場合、気になるのは相続税や贈与税の金額でしょう。株式を相続し、事業を引き継ぐ場合でも、相続税率は変わりません。しかし、株式の評価額の基準は時価。いつ評価するか、すなわちいつ贈与や相続をするかで、金額が変わってきます。また、株式以外にも評価額の金額が変わるタイミングがあるのです。
事業承継で資産を移すタイミング利用
相続を考えるうえでは、会社の評価額は低い方が得になります。そのため、この仕組みを理解したうえで、いかに会社の評価を下げた状態で承継するのかを考えなければなりません。
そのために考えるべきポイントのひとつが、純資産価額を下げるということです。これは事業承継のタイミングで上手く調整することができます。
事業を承継する場合、必要に応じて承継者個人や、承継者名義で立てている事業などに、資産を移していく必要があります。その移動のタイミングを利用すればいいのです。
事業承継で支出を増やして利益を圧縮
たとえば、評価額の下がっている土地や株式などを売ったあとに承継を行うなど。帳簿上で、損益が計上されていますので、このタイミングなら純資産価額は下がっています。
反対に、評価の上昇が見込める土地や株式がある場合は、早めに承継してしまう方がベターです。
もうひとつの方法が、支出を増やし、利益を圧縮する方法。これは役員退職金などを支払うことで可能になります。会社名義の支出を増やすことで、評価額が下げられます。
上手く株価を引き下げた状態で、相続時精算課税制度などを利用して承継を行い、納税負担が少しでも少なくなるようにするべきです。
記事カテゴリ: カルチャー