人間ドックは費用が高額なので助成を活用すべし
病気になったときに生活を保障する制度や、その予防を目的とした助成金なども大切ですが、健康な生活には早期発見のための検査も忘れてはいけません。健康管理の味方「人間ドック」費用が高額なので助成を活用しましょう。自治体からの助成でお得に人間ドックを受けることができるのです。
人間ドック費用の一部を助成する制度
基本的に労働者に対しては年に1回の定期健康診断を受けることが義務づけられていますが、それも最低限の検査だけです。高齢になってからの健康や、さまざまな病気のリスクまで考えると、決して十分とはいえません。
より詳細に健康状態を調べるためには、人間ドックなどを受ける必要があります。ただし、これを利用して詳細に調べようと思うと、かなり金額が高くなってしまうため、どうしても受診をためらってしまいがちです。
そこで多くの自治体が人間ドックの活用を促すため、受診者に対して費用の一部を助成する制度を用意しているのです。
そもそも人間ドックとはどんなものなのか、一般的な健康診断とはなにが違うのかということについて説明しましょう。まず健康診断は、労働者に義務づけられている検査です。項目は10~15ほどで、あくまで必要最低限にとどまっています。
人間ドックの費用は高くなりがち
それに対し、人間ドックの受診はまったくの任意です。しかもじつは、内容の明確な定義や決まりはとくになく、受ける場所によって検査項目はまちまちです。医療機関によっては100近い項目が用意され、それぞれ受けるかどうか、どの程度調べるかなど、すべて受診者の希望で決定できます。
ただし、項目の多さやその細かさに応じて費用が高くなりがちなのも人間ドックの特徴。一般的な健康診断が高くても1万円程度に納まるのに対し、人間ドックは、検査内容によっては10万円近くになるも。しかしこれは、健康状態の確認のためにはより正確なものをできるだけ多くの人が受診することが望まれています。
人間ドックへの助成はセルフメディケーション税制と同じく、住民一人ひとりが自分の健康を管理できるようにと用意されたもの。自治体によってはないこともありますが、設定されている場合でも、それぞれ助成金額や条件も異なっています。
人間ドック費用の助成の受け取り方
たとえば長野県の木曽町の助成金は、費用全体の70%をまかなってくれるもの。利用する検査の種類によって上限額があり、脳ドック以外のオプションには適用できません。30歳から74歳までで、課せられている税金をきちんと支払っている人でさえあれば受けることができます。
人間ドック費用の助成の受け取り方は、事前に木曽町役所へ届け出を行い、検査結果が届いたらそれを提出することで払い戻しを受けることができるというものです。ただし、受診先が指定の医療機関であれば、委任払いで、自己負担分のみ支払うことも可能です。なお、助成を受けられるのは年度毎に1回だけになっています。
また、東京都立川市では、脳ドックに1万5000円、そのほかのドックに2万円の補助があります。対象は、市の国民健康保険、あるいは都の後期高齢者医療制度に加入している立川市民のみ。年齢は木曽町と同じで、必須項目として設定されている検査を受ける必要があります。
自治体で異なる人間ドック費用の助成
指定の医療機関であれば事前申請による委任払いが可能な点も、木曽町と同様。しかし立川市では、指定以外の医療機関で受診した場合、事後申請でのみ助成を受けられます。
役所での審査を受け、交付が決定された翌月末の払いになるので多少間は空きますが、申請書と人間ドックの領収書、保険証などを提出すれば、給付を受けることができます。
ただし立川市では脳ドックを受診した場合、50歳未満の受診者に限り、2年度に1回しか助成を受けることができなくなっています。全身のドックを受けた場合、50歳以上の受診者なら1年度に1回です。
以上のように、人間ドック費用の助成金は条件や金額などにおいて、自治体ごとに大きく異なっています。もしこの制度を利用して人間ドックを受診しようと考えているなら、助成金額はもちろん、そのための条件についてなど、事前にきちんと調べておくことが必要です。