介護休業給付制度で介護時期の収入不安さを解消
現代において大きな問題となっているのが親の介護と仕事の両立。介護者が仕事をしながら介護を続けていくことはなかなか難しく、離職せざるをえない状況に追い込まれることも少なくありません。そこで知っておきたいのが、介護休業給付金。介護のために仕事ができない分を保障してくれる制度です。
介護休業給付1回の支給額には限度
雇用保険に入っている人は、家族に介護が必要になって仕事を休まなければならないときに、一定期間分の給与の一部が支給されます。これが育児・介護保険法によって定められた、雇用保険からの「介護休業給付」です。
介護休業給付の各支給対象期間(1カ月)ごとの支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%。ただし、介護休業期間中の間、一カ月当たりの賃金の80%以上が支払われていた場合は支給はありません。
67%分すべて支給が行われるのは、支払われている賃金が13%以下の場合になります。13%~80%の間に該当する場合は、80%の値段までの差額を支給することになります。
また、介護休業給付1回の支給額には限度があり、2018年10月現在の上限額は、33万1650円です。この数字は毎年改訂されます。
介護休業給付を申請するための要件
要介護状態になった家族(配偶者、父母、子と同居して扶養状態にある祖父母や兄弟姉妹など)ごとに1回、通算して93日分までが支給されます。たとえば、日給7000円の場合、介護休業を60日間取得したら、7000円×60日間×67%で、28万1400円がもらえることになります。
介護休業給付を申請するための要件は、家族の介護が2週間以上で、つねに介護が必要な状況であることで、介護休業開始日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある場合に支給されます。
介護休業の申し出は、休業開始と終了を決めて休業開始予定の2週間前までに行うのが原則で、それに遅れたときは申し出の翌日から2週間以内の日までの間を事業主が休業開始日として指定することができます。
終了予定に関しては予定日の2週間前までに申し出ることで、1回だけ終了期日をくり下げられることになっています。
介護休業給付は休業終了後に支給申請
また、同一の対象家族について、介護休業給付金を受けたことがある場合、要介護状態が異なることにより再び取得した介護休業についても、介護休業給付金の対象とすることが可能です。ただし、この場合は、同一家族について受給した介護休業給付金の支給日数の通算が、93日までが限度となっています。
介護休業給付を受給するためには、休業終了後に事業所を管轄するハローワークに支給申請を行うことになります。これは事業主が代行することもできるので、介護休業をとりたいと考えた時点で、勤め先に相談してみるのがよいでしょう。
忘れてはならないのが、介護休業給付は失業保険や産休、育児休業とは併用できないということ。また、家族ひとりごとに適用されるので、何人かの家族の介護休業を、同時にとることはできないという点にも注意が必要です。
ちなみに、介護休業の途中で離職した場合、最後の支給期間は、支給を受けることができないということも覚えておきましょう。