介護保険制度は介護度に応じて費用1~3割負担
1960年代以降、日本人の高齢化が加速していき、2000年に入ると高齢化率が17・4%までにアップ。そのような状況において、介護は社会全体で支えるべきという考えから介護保険制度がスタートしました。ホームヘルパーや施設への入所など、さまざまなサービスを有する制度です。
40歳になると介護保険への加入義務
介護保険は介護が必要な人に、その費用を給付してくれる保険です。40歳になると介護保険への加入が義務付けられ、保険料を支払うことになっています。利用するには要介護認定などの申請が必要です。
介護保険の手続きの流れは、まず利用者が要介護認定・要支援認定の申請を、市区町村役場の窓口で行います。すると、認定調査員などが利用者の心身の状況を調査したり、医者の意見書なども考慮に入れて介護が認定されます。
介護認定には「要支援1~2」と「要介護1~5」「非該当」があります。認定によっては給付を受けられないケースもあるので覚えておくといいでしょう。
ちなみに要支援の人は、寝たきりの状態ではなくとも、身体上、精神上に障害があるために日常生活に支障があり、6カ月間にわたって掃除や洗濯、買い物などにも支障がある状態。要介護の人は、身体上、精神上の障害があるため、日常生活の一部または全部で介護を必要とする状態となっています。
介護保険制度で利用者負担1割程度
介護保険制度は、40歳以上の国民全員が納めた保険料と、国や市区町村の公費を合わせ、介護の費用にあてるという仕組みになっています。それによって、利用者負担を全体の1割程度に抑え、介護度によってさまざまなサービスが受けられるようにした仕組みです。
介護保険のサービスは大きく分けて3つあり、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスがそれに該当します。
居宅サービスとは、自宅に居ながら受けられるサービスのことです。ホームヘルパーなどが自宅を訪問し、日常生活の介助を行う「訪問介護」、施設に利用者を預けて、その間に家族が自宅などで休息をとれる「通所介護」などがこれに当たります。
施設サービスとは、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設などの施設が利用できるもの。病状や介護度によって利用できる施設は異なります。
最後の地域密着型サービスとは、自治体で指定された事業者が、その地域に住む利用者を対象として行うものです。柔軟なサービスを受けられる点が特徴となっています。