介護保険より医療保険が優先されるケースとは?
介護保険と医療保険とでは、サービスの提供時間や自己負担額が違っています。こうなると、介護保険と医療保険のどちらを利用するべきかと迷ってしまう人もいるでしょう。しかし、これについても原則的にどちらが優先されるのかが決まっています。介護保険と医療保険でどちらが優先されるか見ていきましょう。
介護保険の要件を満たさないと医療保険
まず、訪問看護などを受ける人の年齢が40歳に満たない、あるいは40歳以上65歳未満で、特定の疾病にかかっていない場合には、当然ながら医療保険の適用です。そもそも介護保険の支給要件を満たしていません。
一方、40歳以上で要介護や要支援の認定を受けており、介護保険の支援を受けることができる場合、基本的に優先されるのは介護保険です。ただし、末期のがんを含め、特定の疾病にかかっている場合には医療保険が優先です。
厚生労働省が指定する特定疾患とは、末期の悪性腫瘍のほか、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋委縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症などになります。
介護保険が適用されていても医療保険
このほか、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病)、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ矯小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソーゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷、人工呼吸器を使用している状態が、厚生労働省が指定する特定疾患です。
仮にそれまで介護保険が適用されていたとしても、末期がんが明らかになった時点で医療保険に移行します。
また、病状が急に悪化してしまい、それまでよりも多く看護を受けなければいけないときは、医師から特別訪問看護指示書が出されます。それを受けた場合には医師の指示に従い、頻繁な看護が必要になるため、医療保険の扱いになります。