介護保険が市区町村による運営になっている理由
介護保険料は40歳以上から徴収され、対象になる人は第1号被保険者と第2号被保険者に分かれます。第1号被保険者は65歳以上になれば、すべての人が対象になる仕組みです。介護保険は市区町村などが保険者となって運営するもの。介護保険の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
介護保険の主体となる市区町村の仕事
介護保険において、保険を提供する保険者にあたるのが、市区町村などの自治体です。介護保険について、大枠のルールはもちろん国の法律で決められているのですが、基本的には主体となっている市区町村が、支給内容などを決定しています。
介護保険の主体となる市区町村の仕事は、保険に回すことができる財源や、被保険者の資格に関する管理。それをもとにした保険料の策定と、サービスの給付です。そのため、申請するときやなにか疑問があるときなどには、まず役所の窓口に相談しましょう。
そもそもなぜ介護保険は健康保険と異なり、市区町村による運営になっているのでしょうか。その理由は、介護保険が提供している支援の形式と、内容にあります。
介護保険が提供する介護サービス
介護保険が提供する介護サービスは、医療保険のように全国一律に定められた支援を行うことよりも、それぞれの地域や状況に応じたきめ細かな対応が必要になります。各被保険者ごとに求められる支援は異なるため、地域ごとに対応した方が都合がいいのです。
介護保険では、保険者は被保険者の認定を行い、それに合わせてサービス事業者への報酬などを支払います。市区町村だけで運営しているために組織の規模が小さすぎ、運営が不安定になってしまう可能性も考えられなくありません。
そのため、一部の地域では複数の自治体で協力し、「広域連合」というかたちで介護保険をカバーしていることもあります。
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