介護認定は2つの審査で客観的に判断される
介護保険の鍵を握る大きな要素のひとつが「介護認定」です。被保険者の障害がどのような状態にあり、どの程度の介護を必要としているのかによって提供されるサービスが変わり、その支給の上限が変わります。しかし、どの程度の支援が必要かという判断はなかなか曖昧なもの。介護認定の申請の仕組みを見ていきます。
介護認定はきちんと客観的に審査
たとえば、脳卒中などで身体に麻痺が残っている場合、高齢化によって足腰が弱っている場合、身体は丈夫だけど認知症によって普通に生活するうえで支障が出てしまう場合など、病状などによってその状況はさまざまです。
こういった違いがあるものを、複数の人がそれぞれに判断しようと思えば、当然その基準はバラバラで、統一することはできません。どの程度自立した日常生活ができるのかという観点で、厳密な基準を設けておかないと、誰が審査したかによって認可が得られるかどうかが変わってしまいます。
そこで、介護認定にはきちんと客観的に審査を行えるように仕組みが作られているのです。介護認定はまず、申請を出した時点で該当者の心身の状態に関しての基本的な調査が行われます。
介護保険の被保険者認定書が発行
その結果からコンピュータが状況を判断。これから状態が改善するか、維持できるかが審査されることになります。なお、介護認定の申請を行うときは事前に担当医師に相談して、意見書を出してもらいましょう。
さらに、この審査の結果と主治医からの意見書をもとに、二次判定に進みます。ここでは、市区町村に設置されている介護認定審査会が審査を行います。ここで介護が必要だと判断されたときにはじめて介護保険の被保険者認定書が発行され、要介護や要支援の認定が与えられることになるのです。
介護保険は、ルールなどが市区町村によって異なる部分もあり、とにかく複雑な点が多いものです。不安な人は、早めに住所地の自治体での取り組みについて調べておくことをおすすめします。