任意後見制度で任意後見人の解任にあたる事由
任意後見制度で任意後見人を指名しても、トラブルと無縁というわけにはいきません。後見監督人のチェックがあるとはいえ、後見人には財産の管理権が与えられます。そのため本人にとって有利になるような方法で、その財産が使われるケースもありえるのです。任意後見人の解任の申し立てについて見ていきましょう。
任意後見人も解任される可能性がある
こういった場合、任意後見人も解任される可能性があります。解任にあたる事由として挙げられるのは、不正な行為があった場合や、極端な不行跡が認められたとき、あるいは、この責務に適していないと判断される事由がみられたケースです。
たとえば財産の横領などはひとつ目の不正な行為にあたります。また、後見人の権利を使って不動産の売買や貸借を行おうとした場合も、もちろん解任事由になります。
また、法に触れるほどのことをしていなくとも、所有者にとって不利益になるほどの不行跡は問題になります。たとえば、所有者の友人との間で関係を悪化させるような振る舞いがあれば、解任にあたる事由だと判断されるかもしれません。
後見人の解任は家庭裁判所に申し立て
そのほかにも、不適切だと考えられるような財産の管理をしていたり、監督人の指示に従わなかったりすると、この責務に適していないとみなされ、解任扱いになる可能性があります。
以上の解任事由にあたる行動がみられたら、家庭裁判所に申し立てを行います。後見人の解任について申し立てを行えるのは、後見監督人かまたはその親族です。申立書、本人と申立人の戸籍、本人の登記事項証明書、解任請求の事情を説明した書類、その内容を証明する資料が必要になります。
なお、後見人の解任はあくまで上記の事由に当てはまるような「その人物が後見人として相応しくない」と判断される場合に限られています。
被後見人の親族や、後見監督人との折り合いがよくない、親族の願いを聞き入れてくれないなどといった事情では、解任はできません。これはあくまで法的に認められた役職にあたるので、その点は要注意です。