住み替えには自治体から助成が出る場合がある
高齢者だからといっても、かならずしも誰もが自分の住居を所有し、そこで生活しているとは限りません。所得や生活条件は人によってさまざま。定年を迎えた、あるいは子どもが独立したことを区切りに、持っていた家を売ってしまい夫婦で賃貸住宅に住み替えるという例も少なくはありません。
住み替えの助成制度は各自治体ごと
しかし、賃貸住宅ではなんらかの理由で転居を求められる場合もあります。基本的には建物の取り壊しや立ち退き要求など、その物件の所有者としてはやむを得ない事情が主です。
とはいえ、事前に通達があっても住み替えにはかなりの費用がかかり、高齢ともなると転居先を決めるのも簡単ではありません。最悪の場合、路頭に迷ってしまう可能性すらあります。そのような事態に備え、各自治体で高齢者の住み替えを助ける助成金が用意されているのです。
住み替えの助成制度は各自治体ごとの制度のため、名称も制度の詳細も異なっています。ただし、基本的には、住み替えに必要な敷金や礼金、仲介手数料などを請求することが可能。また、住み替えしたことで家賃が上がってしまったときには、必要に応じてその差額分が補助される場合もあります。どこまで助成を受けられるのかは確認が必要です。
住み替えの助成制度の対象は高齢者
住み替えの助成制度の対象になるのは基本的に高齢者のみ。期間は自治体によって異なりますが、多くの場合その自治体にどれくらい居住しているかも条件に含まれています。また、申請できるのは、あくまでも本人にはどうすることもできないような事情で転居を余儀なくされた場合だけです。
建物の取り壊しが決定されている、家主から立ち退き命令を受けた、病気などで身体が弱り、その家では普通に生活を続けることが困難になった、あるいは収入が減少したため家賃を支払えなくなったなど、正当な理由があると認められなければ、住み替えの助成制度の給付を受けることはできません。
ただし、なかには耐震基準に適った住宅への住み替えが助成対象に含まれている場合もあります。自治体によって条件や助成金の額が大きく変わるので、役場などで事前の確認が大切です。
申請に必要なのは、申請書と住民票、転居前後の住宅の契約書など。必要に応じて、住人の所得証明書や病気を証明する診断書、取り壊しや立ち退きを証明する書類も求められることがあります。必要書類や事前の申請が必要かどうかなどの条件も、やはり自治体によって異なるので、これについても確認しておく必要があります。