傷病手当金の申請は会社を通して行うのが一般的
交通事故や大きな病気などをしてしまった場合、身体はもちろん、その後の生活を考えることも必要になります。上限額や控除などがあるとはいえ、入院や治療にはかなりの費用が必要です。また、入院が長引くようならその期間の収入をどう補うのかも重要な問題です。傷病手当金の申請について見ていきます。
傷病手当金は最大で1年6カ月まで
病気や事故はかならずしも本人の責任とはいいがたいものですが、だからといって、入院などしていて、働けていないのに会社から給与を受け取ることはできません。では、その期間の生活費はどうすればいいのでしょうか。
労働者が病気やケガで働けなくなった際には、その期間の生活の補填として傷病手当金が給付されます。これは協会けんぽや健康保険組合など、加入している保険の組合から支払われるものです。
ケガをする以前の12カ月間について、毎月の給与平均を割り出し、それを30で割ってさらに3分の2をかけた金額が、傷病手当金の給付日額となります。給与の全額分が支給されるわけではありませんが、最大で1年6カ月まではこの金額を受け取ることが可能です。
ただしこれは、病院で診察を受け、働けないと認められたからといって、自動的に支給されるものではありません。加入している保険事務所の窓口などで申請書を取得し、該当する病気やケガなどの情報を記入して提出する必要があります。
傷病手当金の申請手続きは会社が代行
なお、傷病手当金の申請手続きは一般的に会社を通して行います。また、医師によって就業不可ということが証明されている必要があるため、診断を受けた際に、病名や働けなくなる期間が記入された証明書を発行してもらいましょう。それを添えた申請書を会社に提出すれば、保険組合への手続きは会社が代行してくれます。
傷病手当金の申請で必要となる手続きは以上ですが、受給開始自体はまだ先。待機期間として3日間の休業の間は手当は給付されず、4日目から給付開始になります。なお、この待機期間が営業日に当たるかどうかは無関係。土日や祝日なども合わせて3日以上働いていない期間があれば、それで待機期間は認定されます。
これに対して業務時間内、あるいは通勤の最中に大きなケガをしてしまった場合は、通常の病気などとは異なり、労働災害として扱われます。
そのケガや病気の原因が業務に関係あると認められなければいけませんが、特定の基準に基づいた調査の結果、労働災害だと認定されれば、雇用者や労災保険から給与分に遜色ない程度の給付を受けることが可能です。