先進医療特約の「先進医療」は費用計算が複雑
がん保険や医療保険によくつけられている特約として「先進医療特約」というものがあります。保険を選んだり見直したりするときに、目にしたことがある人も多いことでしょう。しかし、よく知られている割に、これがどんなものかと聞かれて自信を持って答えられる人は少ないのではないでしょうか。
先進医療の費用は保険外診療の例外
そもそも先進医療ってなんなのかと考えている人も多いかもしれません。先進医療というのは、一般的なものよりも進んだ、最先端の医療のことをいいます。厚生労働省によると、現在日本で受診することができる先進医療は合計94種類です。
なぜ先進医療に対しては保険で特約が作られているのかというと、これらを受診する場合には保険が適用されないことがあるからです。本来、保険適用外の治療を受ける場合、病気の治療に関わる費用は全額自己負担になります。
このような治療を、保険外診療といいます。ただし、先進医療は例外。保険外診療と通常の保険診療を共に行う混合診療となります。日本でこれが許されているのは先進医療だけです。
先進医療の費用計算は少々複雑になる
そのため、先進医療の費用計算は少々複雑になります。診察や検査、投薬などの通常の治療に関しては保険の適用を受けて3割負担で受診可能ですが、それ以外の先進技術を必要とする範囲に関しては全額自己負担での受診になります。
健康保険適用の自己負担割合が30%、先進医療を受けたときの医療費の総額が100万円、うち先進医療の技術料が20万円だった場合、自己負担額は100万円から20万円を引いた80万円の30%にあたる24万円と、先進医療の技術料20万円の合計44万円となります。
ただし、自己負担額24万円については、高額療養費制度が適用されるため、1カ月あたりの自己負担額が抑えられることになるのです。また、先進医療の費用は適用する医療の種類や受診する病院などによっても異なりますので、事前によく検討しておかなければいけません。