公的な介護保険と民間の介護保険の違いとは?
高齢化が進む現在、「平均寿命」だけでなく、高齢者の健康年齢を示す「健康寿命」も高齢者にとって忘れてはいけない問題になっています。平均寿命が延びているからこそ、五体満足で健康に過ごせる期間を長くしたいと考える人が多いのも当然。健康寿命も医療の進歩によって昔より延びているのです。
公的な介護保険の問題点は現物支給
とはいえ、いつ誰が病気や事故に遭い、身体が不自由になったり、寝たきりになったりしてしまうかはわかりません。また、身体は健康でも、認知症にかかり、介護が必要になってしまう場合も考えられます。そんな事態への備えは、きちんと用意しておく必要があるでしょう。
介護が必要になったとき、最初に利用を考えるのは公的な介護保険。要介護認定や要支援認定を受ける必要がありますが、適用されれば、1割の自己負担で、特定の介護サービスを受けることができます。
公的な介護保険の問題点は、これが現物支給を原則としていることです。つまり、「介護にかかる費用」ではなく、「特定の介護サービス自体」が給付されるかたちなのです。もちろん、給付内容は、自宅に介護ヘルパーを派遣したり施設で介護が受けられたりなど、基本的に必要なことはすべておさえられています。
公的介護保険と合わせて民間を利用
しかし、たとえば自宅で介護を行う場合には、バリアフリー化の改修工事が必要になるかもしれません。また、介護用具などを購入しなければいけなくなることもあります。そういった費用も介護保険の対象に含まれてはいるのですが、支給には上限額が定められています。
もし大規模な工事を行う必要がでてきた場合には、どうしても負担は大きくなり、生活を圧迫してしまうかもしれません。
そんなときに強い味方になってくれるのが、民間の介護保険です。こちらは現物支給ではありません。対象者が給付条件を満たしていると認められさえすれば、一時金や年金のかたちで保険金が支払われることになります。公的介護保険と合わせて利用すれば、負担を大きく軽減できます。