定年でも公的保障の活用で給付金が適用される
これに加えて、定年退職を迎えた人に関係する保険のひとつに、雇用保険の問題があります。近年は人生100年時代といわれ、定年を迎えてからも働くのが当たり前ともいえる状況です。これに合わせ、2017年に制度が改正されました。意外とつける公的保障について見ていきましょう。
65歳以上でも雇用保険が適用される
改正前は、65歳以上の高齢者は高年齢継続被保険者に認められていない限り、雇用保険の対象になりませんでした。そのため、定年後も働いていた場合、病気などの理由で休業や失業になると、生活の支えは年金だけだったのです。
しかし、制度改正で保険適用枠が拡大。定年退職以前に働いていた会社で継続雇用、もしくはほかの会社に再就職しても、雇用保険が適用されることとなったのです。
ちなみにこの保険が適用される条件は、高齢者であっても普通の労働者と変わりません。1週間の所定労働時間が20時間以上あり、かつ31日以上継続して雇用される見込みがあることが条件となっています。
働けなくなった場合の公的保障が適用
雇用保険が適用されることで得られるのは、働けなくなってしまった場合の公的保障です。育児休業給付金や介護休業給付金などもこれに該当します。
また、なかには定年退職後も継続雇用を考えていたけれど、待遇が変わってしまうために退職し、ほかの会社で再就職したいと考えている人もいるでしょう。その場合であっても、失業給付は受けることができます。
また、再雇用のために教育や訓練を受けたという人も、条件を満たせば教育訓練給付の支給対象です。定年になると退職することが前提になっており、再就職しても自分は雇用保険の対象にはならないと思っている人は多いかもしれません。
しかし、雇用保険はあくまで労働者を守るための制度。条件をクリアしてさえいれば、問題なく給付は受けられるのです。
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