古代祐三の音源のこだわりをRIKIが聞き出した
古代祐三さんは作曲家、ゲームプロデューサー。代表作に、『ソーサリアン』『ザ・スーパー忍』『ベア・ナックル』『アクトレイザー』『湾岸ミッドナイトMAXIMUM TUNE』『世界樹のクリエイターインタビュー① 迷宮』『セブンスドラゴン』など。古代祐三さんのこだわりをRIKIが聞き出します。
古代祐三の音楽の作り方とは?
RIKI ファミコンでは、『ドラゴンスレイヤーⅣ ドラスレファミリー』(1987 年)で音楽を担当されています。このときは、どんな作り方をされていたんですか?
古代 ファルコムさんに通って作っていました。プログラマーの木屋さん(木屋善夫氏。『ドラゴンスレイヤー』シリーズを手掛けた)の隣で作業していたのを覚えています。PC-98 で打ち込んでいて、ファミコン実機から音を出すための環境はありませんでした。
RIKI それでは、ファミコン音源について把握するのは大変だったんじゃないですか?
古代 自分は音源マニアなので、スペックなどは熟知していたんです。「こう使いたいから、こんなプログラムを組んでください」とお願いしながらやっていました。
古代祐三はパソコンサークル所属
RIKI ファミコン音源の特性については、もともと知っていた!? そういう技術的なことは、どのようにして身に付けたのでしょうか?
古代 パソコンサークルに所属していまして、そこにはPC-88 でオペレーティングシステムまで書けるような、腕利きのプログラマーたちが集まっていたんですよ。そういう人たちと一緒にやっていたのが、技術の下地になっています。
RIKI すごい集団ですね。どういう経緯で、参加することになったのでしょう?
古代 高3のときに、コミケで誘われたのがきっかけです。ブースにパソコンの写真が並んでいて、食い入るように見ていたら、「よかったらサークルに来てみない?」と。この出会いが無かったら、今の私は無いと思います。
古代祐三は高校を出てゲーム業界
RIKI そして、高校を出てすぐにゲーム業界に入っています。持ち込み曲が、そのまま『ザナドゥ・シナリオ2』(1986 年)で使われたというのは有名です。
古代 もともとは受験しようと思っていたんですけど、ゲームの音作りにハマって勉強そっちのけになっちゃって。そんなときパソコン雑誌を読んでいたら、ファルコムが求人していて、サウンドスタッフって書いてあった。それで作りためていたテープを持って行ったら、思いのほか反応が良くて。
RIKI おおー!
古代 「これ、いま作ってるのにそのまま入れたいんだけど」とか言われて、「ええ!?」って思いましたね。何に使うのか聞いたら、『ザナドゥ』だと言われて、「えええー!?」って。当時、パソコンゲーマーの間では神ソフトでしたから、その続編に入れるって言われたらビックリしますよね。