定年後の保険の見直しは基本的に「減らす」
保険の見直しが必要になるタイミングは、たとえば、子どもが生まれるのを機に生命保険の保障を厚くしたり、家を建てるのを機に地震保障をつけたりと、人生における転換期です。これは「定年後」にも当てはまります。ただしこのときには、保障を厚くするのではなく減らすかたちで見直しを考えていきます。
定年後の保険の見直しは出費を考える
保険はもしものときの備えとして必要なものですが、貯蓄と年金だけで生活していく老後のことを考えれば、月々の保険料の支払いは決して軽いものではありません。そのため、できるだけ無駄な出費は省けるようにしたいところです。
払い込んでいる保険料を確認したとき、その負担が生活を圧迫していると感じたらすぐにでも見直しを考えたほうがいいでしょう。そうでない場合でも、保険料の負担に問題があるかどうかを確認するために、収支のバランスを把握しなければいけません。
まずは定年後の大きな出費の予定を考えてみましょう。たとえば子どもの結婚や住宅購入などに援助が必要かどうかなどです。それに対して必要な備えを予想してみてください。そこに、日常的な生活費などの費用を合算します。このようにして算出した支出と、貯蓄や年金などの見込み収入を比べれば、収支のバランスはみえてくるはずです。
定年後に一刻も早く見直すべき保険
中には収支を考えるまでもなく、一刻も早く見直した方がいい保険もあります。たとえば高額の生命保険は、定年退職後には必要ありません。
仮にこれから夫婦ふたり、年金と貯蓄で生活していくとしたら、どちらか一方が亡くなったとしても、生活に困る可能性は極めて低くなります。その際に問題になるのは、葬儀費用くらいでしょう。それを補える範囲で保険に入っていれば充分です。
ただし、このときにもひとつ注意するべき点があります。それが利率。5%というような高利率の保険に入っている人は少ないでしょうが、僅かでも満期返戻金による利率がプラスになる保険もあります。もしそういった保険に入っている場合は、すぐ解約してしまっては損になってしまいます。
また、入り直すときには税金にも注意。生命保険金は契約者、被保険者、保険金の受取人がそれぞれ誰なのかによって課せられる税金が変わり、税率も変わります。税金で損しないように、事前によく調べて契約するようにしましょう。