まずは定期保険と終身保険の違いを理解する
日本に限らず、医療技術の発展に伴って人の平均寿命は延び続けています。日本人の平均寿命は83歳ほどですが、90歳以上まで生きる人も決して珍しい時代ではありません。自分が該当するライフイベントを元に、本当に必要な保険について考えてみましょう。
さまざまなリスクに備えるのが保険
平均寿命が延びること自体は決して悪いことではありません。しかし、高齢者の生活を考えるうえでは、長生きできるということはリスクでもあるのです。
40歳から100歳までの間における収支などを図式化してみると、当然のことですが、65歳の定年を過ぎると、退職金があるといっても一気に収入は減少します。それ以降は、貯蓄と年金で暮らすしかありません。
普通に生活する分には年金収入で賄うことができても、自身や配偶者の医療費・介護費などが入ってくると、どうなるかはわかりません。これらの出費の可能性は歳を重ねるごとに増えていき、反対に貯蓄は減っていきます。
そのような視点から考えると、長生きは大きなリスクでもあるとわかるはずです。そこで、自分のこれからの生活を考えてみてください。配偶者の有無、子どもと同居しているかどうか、貯蓄や負債の金額、自宅は持ち家か賃貸かなど、それぞれに状況が違います。
これからの生活において、さまざまなリスクに備えなければいけません。それに幅広く対応することができるのが、保険なのです。
同じ生命保険でも定期保険と終身保険
一言で保険とはいってもいくつもの種類があります。テレビのコマーシャルなどでもさまざまな商品が紹介されていますが、それをみてもなにがどう違うのか、素人目には理解しきれないでしょう。
そのため、「自分もなにか加入した方がいい気がするけれど、どんな保険を選ぶべきなのかよくわからない」という人は決して少なくはないはずです。
これについては、契約者が求める保障によって変わってきます。被保険者の死に備えるのか、病気や入院時の保障を求めるのか、あるいは定年退職したあとの生活の不安を解消したいのか。どれも保険が力になってくれますが、それぞれ目的に応じて契約するべき保険は異なります。
たとえば被保険者が死んでしまった場合の遺族の生活に不安を抱くなら、生命保険などに加入します。
ただし、同じ生命保険でも、定期保険と終身保険があることを忘れてはいけません。定期保険は比較的安く、手厚い保障が受けられます。ただし、一定期間で契約が更新され、加齢に伴って保険料が上がっていくため、長期的に利用するならしっかりと計画をたてておくべきです。
反対に終身保険は、一生涯同じ保険料のまま、同じ保障が続きます。見直したいときには解約返戻金もあるので、将来への貯蓄としても効果を発揮するタイプの保険です。ただし、一般的に保険料は高め。加入しても生活を圧迫しないかどうか、自身の収入とも相談して決めなければいけません。