有価証券の相続で株式はすぐに名義変更すべし
有価証券などの相続は、被相続人と相続人の関係を示す戸籍、住民票、印鑑、遺産分割の内容を証明する書類を提出したら、証券会社の方で名義変更の手続きを行います。このとき必要になるのが、同じ証券会社の口座です。すでに口座を持っていれば、すぐに書き換えをしてくれるため、手続きがスムーズ。もし持っていなくても、新規口座の開設手続きをすることで名義変更を行ってくれます。
配当や優待を無駄にしない有価証券相続
これらの手順は、基本的に上場企業でも非上場企業でも、国債や投資信託でも変わりません。もしよくわからないときは、証券会社などに問い合わせて確認します。
この名義変更手続きは、預貯金の場合のように引き落としなどの問題が発生することはありません。しかし、投資していたかどうかをできるだけ早く確認し、とくに株式の場合は、すぐに名義変更を行うことをおすすめします。
それというのも、名義を変更せずにいると、株主に与えられる配当や優待が無駄になる可能性があるからです。大きな金額にはならないことが多いのですが、できる限り損をしないためにも、早めの行動が大切になります。
しかし、この手続きが遅くなる原因のひとつに、被相続人が投資を行っていた事実を相続人が知らないことがあります。現在は株式もほとんどが電子化されており、インターネット上のやりとりだけで手続きが完結してしまっている場合がほとんどです。
有価証券の相続は生前の確認が賢明
そのため、相続人に知らせずに行われていた取引は、被相続人の死後、確認するのが困難になってしまいます。できれば生前に、投資も含めた所有財産について、確認しておいた方が賢明です。
しかし、なかにはまだ株券が残っており、タンス株状態になっていることも。もし株券をみつけたら、まだその権利が生きているかどうかを証券会社に連絡して確認しましょう。有効ならば、すぐに名義変更をしなければいけません。
そのほかにも、上場企業の株式を所有していた場合、年に2回は業務報告書が届くことになっています。そのため、そこでも投資の事実を確認することが可能です。
株式は納税のための評価額計算も簡単ではありません。被相続人が投資まで行って増やし、残しておいてくれた財産なので、その手続きで納税が遅れたりすることがないようにしたいものです。