渡部恭久はアーティストでなくあくまでゲーム屋
Yack. こと渡部恭久さんは、タイトーで数々のAC ゲームのサウンドを担当し、その後もアリカ、スーパースィープなどを経つつ、ゲーム音楽を作り続けてきた人物。『キラスタDX』『8BIT MUSICPOWER FINAL』に楽曲を提供していただいています。そんな渡部さんにRIKIがゲームと音楽についてインタビューしました。
渡部恭久のアニメっぽい感じの曲
RIKI 『キラスタDX』に続いて、『8BITMUSIC POWER FINAL』にも参加していただきました。
渡部 『キラスタDX』は、hally さんから話が来たんですよね。「やるやる」と応えたはいいものの……、さてどうするかと。それで、女の子キャラだったので、可愛い路線に。
RIKI メロディアスでアニメっぽい感じの曲でした。ゲームの雰囲気や画面にも合っていて、すごく良かったです。『8MPF』の曲も、どんな感じで来るかなとドキドキしながら待っていました。
渡部 実は、3つくらい自分でボツにしているんですよ。そして最終的に行きついたのが、やっぱり女の子のキャラクターを活かしたもの。女の子が冒険するといった話をしていましたよね?
RIKI 依頼するときに、「女の子がいろんなところに行くというイメージです」と伝えて、キャラクターのアニメパターンをお送りしました。
渡部 そう聞いて、海外のTV 番組で、世界中を旅してすごくくだらないものをいろいろ紹介していくヤツを思い出したんです。そのノリを女の子のキャラクターでやれば、案外合うんじゃないかと。
渡部恭久はアーティストじゃない
RIKI 変わった曲調なんですが、リズムなどレトロゲームっぽいところもあり、聴いていて気持ちがいいです。アイデア以外では、苦労した部分はありましたか?
渡部 ノリ一発です。路線さえ決まればあとは速いので。
RIKI では、路線を考えるのが?
渡部 一番長い。いわゆる、「構想10 年・制作期間1日」みたいな状態ですよ(笑)。
RIKI アーティストとしてのスタンスと言いますか、「ゲームの内容や絵に合わせる」というのを大切にしておられるんですか?
渡部 アーティストという言葉が出ましたけど、それは当てはまらないんですよ。
RIKI アーティストじゃない!?
渡部 うちはゲーム屋で、アーティストとは違います。結局、ゲームに入ってナンボの音なので、アーティストじゃないんですよ。
RIKI なるほど! ゲームファンとしては嬉しい姿勢に感じます。
渡部 アーティストって、音だけで自己表現をするものじゃないですか。自分は、ゲームや絵に合わせるためにやっているんです。