火葬許可証を受け取るため死亡届と一緒に申請書
死亡届を提出したら、次は葬儀を行い、火葬や埋葬などのかたちで故人の遺体を葬ることになります。しかし、火葬などを行うためには、死亡届とは別に、役所に申請を行って火葬許可証を受け取るのが基本です。火葬許可証を受け取るための申請について詳しく見ていきましょう。
火葬許可証の交付日に火葬はできない
自治体によっては、死亡届を提出した時点で火葬許可証が交付され、すぐに葬儀ができる場合もあります。しかし、ほとんどの自治体では、死亡届と一緒に火葬許可申請書を提出し、それによって火葬許可証を受け取るという手順が一般的です。
ただし、申請書の提出を済ませ、火葬許可証が交付されていても、故人が亡くなったその日に遺体を火葬することはできません。故人がエボラ熱のような特定の感染症で亡くなった場合を除き、法律上、死後24時間以上経過しない限り、火葬を行うことはできないのです。
これはまだ医療技術が未発達だったころ、仮死状態が死亡と判断され、そのまま火葬されてしまうことがありました。そんな事態を防ぐために、このような法律が定められたのです。
火葬許可証を取るための火葬許可申請書の書類は、役所の窓口で受け取ることができます。また、自治体によってはホームページ上にも用意されており、ダウンロードして使用することも可能です。
火葬許可証の申請書の書式はさまざま
火葬や埋葬などに関しては国の法律による規定もありますが、細かい部分については、自治体によって異なります。そのため、火葬許可証の申請書の書式も地域によってさまざまです。
まずは故人の住所などから提出先を調べ、その自治体の書式を取得して、準備しておくことが必要になります。とはいえ、記入する内容や手続きの決まり自体には、自治体ごとの大きな差はありません。
たとえば、火葬許可申請書の届出人は、死亡届と同一人物であることが求められます。また、提出期限については死亡届と同様で、故人の死後1週間以内。記入内容も、基本的には故人の本籍や住所、死亡した日時など、死亡届と大きな違いはありません。これらの決まりは、どこの自治体であっても同じです。
それに対して火葬許可申請書の記入内容で自治体によって変わるのは、火葬を行う場所や日時などに関する項目です。すべてではないのですが、それらの記入をが必要になる自治体もあります。
交付された火葬許可証を西条に渡す
公営の斎場を利用するときは、火葬許可証の申請の時点で火葬料の支払いが求められることも。あるいは反対に、その自治体の住民の火葬ということであれば、火葬費用が免除されたり、補助金が出たりする場合も少なくありません。
これらの手続きは期限が短く準備を焦ってしまいがちですが、できれば役所への届出を行う前に葬儀社にも相談しましょう。自治体の条件を把握してから利用する斎場を決めるなど、少しでも得するかたちで準備を進めておきたいところです。
こうして火葬許可申請書を役所に提出すれば火葬許可証が交付され、それを斎場に渡すことで、火葬を行い、火葬済みの印を受けることができます。その書類が埋葬許可証となり、墓地に提示することで、埋蔵を行います。
なお、火葬許可証の申請書や死亡届は、窓口の受付時間外でも役所の窓口に提出することができます。ただし、実際にその提出を受けて、許可証の交付などの手続きを行うのは、翌日の受付時間になってから。できれば窓口の受付時間内に手続きを行うことをおすすめします。
火葬許可証に印をもらって管理者確認
ここまでは、火葬を行うことが前提でしたが、なかには、故人が土葬を希望している場合もあります。日本の法律上、土葬は完全に禁止されているわけではありません。
しかし、東京都内を含め、自治体の条例には、土葬を禁止している例が多いのも事実。また、墓地の管理者が、土葬を受け入れていない場合も多いので、現実問題として、生前に準備をしていないと土葬を行うのは困難だといえます。
ちなみに、勘違いされがちですが、日本では火葬のあと、納骨のために新しい許可証などは必要ありません。火葬許可証に、火葬済みの印をもらい、それを墓地の管理者が確認すれば、埋葬できます。
ただし、火葬が終わった遺骨を一旦仮に納骨しておいて、後に新しく墓を建ててそこに納め直したり、別の墓から遺骨を移動して改葬を行ったりする場合には、仮の納骨などの間も火葬許可証を保存しておかなければなりませんので、その点も注意が必要です。