災害援護資金は生活を再建する際の費用の貸付け
風水害、地震、津波、火災、噴火、土砂災害、大雪などのさまざまな自然災害。それらが起こった際に、発生する費用を国が負担する法律が「災害救助法」です。応急救助に伴って発生する費用を、国が一部負担してくれます。災害救助法による災害援護資金について詳しく見ていきましょう。
災害援護資金の貸付限度額350万円
災害救助法が適用された災害で、世帯主がケガをしたり、保有する資産に大きな被害を受けたりしたなどの場合に「災害援護資金」が借りられます。
災害援護資金は被災者なら誰でも利用できるというわけではなく、ほかの支援金と同様に、受給者に要件があります。その貸付が当てはまるのは、世帯主が治療に1カ月以上要する場合や、家財に3分の1以上の損害、または住居が全壊・半壊・流失したなどの損害を受けたときなどです。
災害援護資金の貸付限度額は最高350万円。利率は年3%、償還期間は10年で、3~5年の猶予期間の間は、無利子となっています。災害援護資金の貸し付け限度額は、被害規模によって異なります。
災害援護資金の滞納者に訴訟が起こる
災害援護資金が、災害弔慰金や災害障害見舞金と大きく異なるのは、あくまでお金の支給ではなく、貸し付けという点です。当たり前のことですが、この制度で借りたお金は返さなければなりません。
しかし、実際のところ、災害援護資金は多くの人が返還できていないのが実情であり、東日本大震災の被害世帯では、7年半たったいまでも、その半数が返還できていないといわれています。
このような場合は、被災自治体が受給者に代わって返済を行うことになっています。しかし、阪神淡路大震災の際に貸し付けた災害援護資金について、大阪市が滞納者に訴訟を起こすような事態も起こっているので、この制度を利用した場合はかならず返還するようにしましょう。
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