牛乳の栄養は低温殺菌じゃないと変性してしまう
カルシウムやたんぱく質を補給できるということで人気の高い牛乳ですが、その殺菌法は大きく3種類あります。そして、牛乳の栄養は低温殺菌じゃないと変性してしまうのです。また、本来の「牛乳」のほかに「加工乳」や「乳飲料」があります。違いを知ったうえで買い求めたほうがよいでしょう。
低温殺菌牛乳は栄養素がほぼ変性なし
牛乳は、生乳(牛からしぼった乳)だけを原料に使い、無脂肪固形分8・0%以上、乳脂肪分3・0%以上を含んでいなければなりません。また、水やその他の原料を加えてはなりません。つまり生乳100%なのです。
これらは、国の乳等省令(乳及び乳製品の成分規格に関する省令)で決められています。これを守っていない製品は、「牛乳」と表示できません。
牛乳は腐敗や食中毒を防ぐために必ず殺菌して製品化されていますが、その殺菌法は主に3つあります。「低温殺菌牛乳」は、62~68度で30分間殺菌。雑菌を除くことができて、しかも生乳に含まれる栄養素がほとんど変性しません。ただし、腐敗しやすいので、消費期限が約5日間と短いです。
高温殺菌牛乳は栄養素の変性が少ない
「高温殺菌牛乳」は、72~75度で15秒間以上殺菌。低温殺菌に比べて短時間で殺菌ができて、栄養素の変性も少ないのが特徴。欧米では一般的な殺菌法です。
「超高温殺菌牛乳」は、120~130度で2~3秒間殺菌。きわめて短時間で殺菌できて効率的ですが、生乳のたんぱく質の約20%を占めるホエー(乳清)たんぱく質が変性して、生乳本来の風味や味が変化します。
日本で販売されている牛乳のほとんどは、超高温殺菌牛乳です。このほか、牛乳に似て非なるものに、加工乳と乳飲料があります。
加工乳は、生乳に脱脂粉乳やクリームなどの乳製品を加えることで、乳脂肪を多くしたり少なくしたりしたもの。乳飲料は、牛乳や乳製品を主原料として、コーヒーや果汁、糖類などの乳以外の成分を混ぜたものです。