相続権が失われる「相続欠格」になるケースとは
遺言書を無視して遺産分割協議を行えるのは、相続人全員がそれに合意している場合のみです。だれかひとりでも合意していない相続人がいるのなら、遺言書を無視することはできなくなります。遺産分割協議後の遺言書の取り扱いについてみていきましょう。
遺言書を隠すことは許されない行為
遺言書に遺言執行者が指定されている場合や、分割協議に参加していない、被相続人の友人などが遺言書による遺贈の対象者になっている場合には、その人物の同意も得なければ遺言書を無視することはできません。その点には、くれぐれも注意してください。
これらはあくまでも遺言書の存在を相続人が知らなかった場合、あるいはその内容を知ったうえで、相続人が従うことを拒否する場合の方法です。
しかし、なかには遺言書の存在を知りながらそれを隠し、相続で損することがないように秘匿する人がでてくることもあります。当然ながら、これは許される行為ではありません。
相続欠格になる具体的な事例とは
日本では相続の際、遺言書が基本的に優先されます。遺言書を勝手に隠匿することで利益を得ようとしてしまえば、それが発覚した時点で相続人としての資格を失ってしまう場合もあります。
利益目的で秘匿していたわけでなければ、権利剥奪までは至らない可能性が高くなりますが、基本的に問題のある行為なので、こういったことは避けた方が賢明です。
相続において特定の相続人につき不正な事由が認められる場合に、その人の相続権が失われる「相続欠格」になる場合があります。具体的な事例は「故意に被相続人や他の相続人を死亡に至らせた者」「詐欺または脅迫により、被相続人に遺言書を作成・撤回・取消し・変更させた者」「遺言書について偽造・変造・破棄・隠匿した者」などです。
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