相続税対策に生前贈与を利用している人数は?
生前贈与は、被相続人になる人が自らコントロールできる部分が格段にアップ。つまり、希望する額の財産を希望する相手に確実に譲ることができるのです。事前に相続税の節税を考えて適切な方法で生前贈与を行えば、結果的に贈与をしなかったときと比べて大幅に税額を抑えられるケースがほとんどです。
相続税対策をしながらわずかに納税
こうした贈与税に関して、実際に、どの程度申請がされているのか、どのくらいの人が利用しているのかを示すデータがあります。
国税庁が発表している『統計年報』によると、2016年、暦年課税で贈与税を課税された人のうち、取得財産が150万円以下の人数は14万3401人、取得財産の合計は1兆7002億4100万円でした。
平均すると、ひとりにつき120万円受け取っていることが分かります。このときのひとりあたりの課税額は、約1万円。ほとんどの人が、わずかに納税することで、相続税対策をしながら贈与を行っていることが分かります。
相続税対策に生前贈与を多くの人が利用
ちなみに、暦年課税で贈与税を課せられている人の数は、合計で38万8216人です。200万円以下の金額で贈与を受け課税されている(課税対象額90 万円以下)のは、合計で19万62人となっています。
贈与税率の10%は、贈与の基礎控除額110万円を引いたあとの財産額が200万円までですから、この19万人よりも多い人数、つまりは贈与税を納めた人の半分以上は、税金を10%に抑えるかたちで贈与を受けていることになります。
そのほとんどが、将来にやがて発生する相続のことを想定していると考えても、それほど的外れではないでしょう。このようにして、生前贈与は、相続税対策として多くの人々に利用されているのです。
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