相続税に適用される控除の条件と内容を確認する
被相続人が亡くなったあと、相続人たちの生活を守るということも、遺産相続の目的のひとつとなっています。そのため、相続税については、遺族の生活を守るためにさまざまな控除があるのです。それらについて知らなかったために手続きを行えず、不要な税金を納めることになってしまう可能性もあり得ます。
相続税に適用できる控除には6種類
そのような事態に陥らないためにも、きちんと相続税に適用される控除の条件や内容について確認しておきましょう。
相続税に適用できる控除には「未成年者控除」「障害者控除」「贈与税額控除」「相次相続控除」「外国税額控除」そして「配偶者控除」の6種類があります。同じ控除という名前がついてはいますが、相続税額の計算で正味の遺産額から差し引く基礎控除額とは別のものです。
基礎控除はどんな相続であっても一律に、遺産額から減算するものですが、これらの控除は相続人や相続財産によって適用されるもので、相続税額を計算する際には、一番最後に計算されます。各相続人の相続分に応じて割り振られた相続税額から差し引かれるのです。
未成年者控除は控除枠を割り振れる
それでは、それぞれどの程度の金額が控除されることになるのでしょうか。各控除について確認していくことにしましょう。まずは「未成年者控除」です。
未成年でありながら相続人になった場合、相続税が課せられてもそれを支払うのは困難です。そのため、未成年者にかかる税金の負担を少しでも軽くするために、この制度が設けられています。
控除額は20歳になるまでの年数×10万円です。もし控除額が相続分以上になれば、その余剰はほかの相続人の相続税から差し引くこともできます。
たとえば、15歳の弟と23歳の兄がそれぞれ40万円の納税を求められた場合を考えてみましょう。弟は未成年者控除で課税額はゼロになり、弟の控除額(50万円)のうち10万円分があまっているので、兄も納税額が30万円で済むのです。