相続税の申告期限に間に合わず加算税を収めた
相続税は国税のひとつ。期限内に納付することができないと、ペナルティとして利息にあたる延滞税が発生してしまいます。期限内に相続税の申告をしないと税金が余分にかかることもあるのです。40代に入って、病気で父を亡くした聡さんが加算税を収めることになった事例を見ていきましょう。
相続税の申告手続きの案内が届いた
葬儀のために久しぶりに帰省した聡さん。亡くなった後の手続きは滞りなく終わり、実家から戻って半年ほどたったころ、久々に実家の母から連絡が入りました。その内容は、税務署から「相続に関するお知らせ」という郵便が届いたというものでした。
母は「読んでもよくわからない、どうしたらいいだろうか」と相談してきたのです。そこで聡さんは、予定を合わせて再び帰省。郵便の内容を確認すると、それは相続税の申告手続きの案内でした。
聡さんはそれを読み自分たちには不要らしいと思ったものの、不安だったので役所で確認した方がいいだろうと考えました。そこで聡さんと母は、預金通帳など、財産の証明書を持って税務署へいき、なにをすべきか相談しました。
延長は認められない相続税の申告期限
そこでの職員の返答は「遺産は総額3500万円ほどで、基礎控除額の4200万円よりも低いので、相続税の納税は必要ありません。手続きしなくても大丈夫ですよ」というものでした。
こうして安心して実家から戻った聡さんでしたが、父の死から10カ月ほどがたったころ、再び母から連絡を受けました。なんと、父の遺品から新たに預金通帳が出てきたというものです。
残高を調べてみると、1500万円もの預金があると判明。これを聞いた聡さんは大慌てです。これを合わせると遺産総額は5000万円で、基礎控除額を超えるため、相続税がかかります。聡さんは大急ぎで実家に戻って申告の準備をしたのですが、結局期限には間に合わず、加算税を納めることになってしまったのです。
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10カ月。さまざまな理由で遺産分割協議がすぐにはまとまらないことも珍しくありませんが、申告期限の延長は原則として認められていません。