相続税の申告は税務調査を受けるケースが多い件
相続によって受け取った財産に課せられるのが相続税。すでに書いた通り、納める場合はかならずその前に申告が必要なのですが、相続税は、財産を相続した人すべてに課せられるものではありません。被相続人が残した財産の総額が基礎控除額の範囲内であれば課税されず、申告も基本的に不要です。
相続税額を算出したら相続税申告書
申告書などの記入を行う前に、まずは納税が必要なのかどうかを確認しておきます。ただし、配偶者控除も含め、特例や控除などによって不要になった場合は、その旨を記入したうえでの申告を求められるケースもあります。相続税額の計算の際には、その点についても確認しておくことが必要です。
相続税額を算出したら、次はいよいよ申告です。被相続人の住所地を管轄する税務署に「相続税申告書」を提出します。税金も種類によっては銀行口座からの引き落としで納付することが可能ですが、相続税は実際に税務署の窓口で申告と納税を行わなければいけません。
申告期限は、所得税などのように毎年この時期という風に期限が決まっているわけではなく、相続の開始があったことを知った翌日から10カ月以内です。申告だけでなく納税の期限もこの日になっており、これを過ぎてしまうといくつかの追加徴税を受けることになります。
相続税の申告に使用する申告書は、全部で15種類。さらに付表や添付しなければいけない書類も多く、それぞれ使う場面や役割が異なります。とはいえ、これをすべて使うような人は極わずかです。
相続税の申告は税務調査を受けやすい
財産の明細を記入するのが11表なので、それを中心に整理し、自分に関わるものだけを選別しておけば、スムーズに進めることができます。それでも混乱しそうなら、税理士などに相談しておくといいでしょう。
ここで注意しなければいけないのが、相続税の申告では間違いは禁物だということ。相続税は所得税などと比べても金額が大きく、かつ一生のうちで数えるほどしかこの申請を行うことはありません。
そのため、申告間違いを起こす可能性が高く、その件で税務調査を受けるケースが、ほかのさまざまな税金と比べても非常に多いといわれています。
税務調査とは、行政機関が納税者の申告内容を確認し、間違いがあれば是正を求めるというもの。この調査が入ってしまうと、申告を修正し再度納税を行わなければいけません。
これにはかなりの手間がかかりますし、場合によっては追加課税も求められることがあります。そのような事態を避けるためにも、きちんと慎重に税額計算と申告を行うことが大切なのです。