相続税の節税効果が得られる「祭祀財産」とは?
葬儀費用のほかにも、供養にかかる費用で節税効果を得られるものがあります。それが、墓地や墓石、仏壇や仏具などの「祭祀財産」といわれるもの。祭祀財産は先祖代々受け継がれるもので、特定の法定相続人が相続するものではありません。従って、相続税法上は非課税財産という扱いになります。
非課税扱いの仏壇を相続税の節約に利用
墓地については、全国の平均価格でも168万円ほどです。ただし、高いところだと1000万円以上する場所もあります。
仏壇も安いものなら数万円程度ですが、材料の質や造作によっては数百万円もするものもあったりと、その金額はピンからキリまで。高価なものを用意する場合は、その分は非課税扱いになるため、相続税の節約に役立てることもできます。
ただし、あまりにも豪奢な買い物だったり、必要もないのにいくつもの高級仏壇を買い集めたりすると、税金対策とみなされて課税される可能性もあるので注意は必要です。純金の仏像や仏具なども、金額によっては非課税とは認められないこともあります。
亡くなったあとの購入は節税効果ナシ
そもそも祭祀財産は家族の共有財産として代々受け継がれていくものです。相続税の節税目的だけでなく、家族としてどのようなお墓や仏壇を買うべきなのかをきちんと考えて選ぶのが本来の考え方です。
なお、お墓や仏壇については、非相続人が亡くなったあとに購入しても、相続税の節税効果は得られません。非課税財産になるのはお墓や仏壇なので、そのかたちで残されている財産を相続しなければ、普通の財産として計上されるのです。
そのため、たとえば祭祀財産の費用を被相続人が払いきる前に亡くなってしまった場合、その支払い義務は通常の債務と同様のものとして扱われ、相続されます。
祭祀財産を使って節税しようと思う場合、税対策と判断されることがなく、亡くなる前に費用を払いきれる金額を意識して購入しなければなりません。