相続税の納付手続きは「相続税申告書」を提出
相続財産や控除額、利用できる特例などを整理して、自分が納めなければならない相続税額が判明したら、次に考えるのは、納付の手続きでしょう。相続税の納付にあたっては、納める相続税額はいくらになるのか、その金額はどのような計算から導き出されたのか、その内訳を正確に申告しなければなりません。
相続税の納付には正確な申請が必要
そのため、相続財産にどんなものがあるのか、それぞれの価格はいくらなのかなどの内容を正確に記載した申告書を、税務署に提出しなければなりません。
相続税を納める場合は申告が必要ですが、そもそも相続税は、相続した人すべてに課せられるものではありません。基礎控除額である、3000万円+相続人数×600万円の範囲内であれば、相続税は課せられないので、申告も基本的に不要になるのです。
国税庁の調査によると、2016年の相続税納税者の割合は、被相続人の数のわずか8・1%ほどだといいます。しかしながら、相続税はほかの税金と異なり、納めるとなると高額になることが多いのも特徴です。
基礎控除額以上の財産が相続されたことになるわけですから、最低でも、3600万円以上のお金が動いているのです。通常の税金は口座引き落としなどで納付することも可能ですが、相続税は、被相続人の住民票があった場所の税務署か金融機関に直接出向き、相続人が直接納付しなければなりません。
相続税が決定したら相続税申告書を提出
相続税が決定したら、被相続人の住所地を管轄する税務署に「相続税申告書」を提出します。すでに述べた通り、相続人数に基づく基礎控除額を超えない場合は、この申請は不要です。ただし、納税額ゼロでも、配偶者控除や評価減の特例などを適用した場合には申告をしなければなりません。
申告期限は、相続の開始があったことを知った翌日から10カ月以内。納税の期限もこの日になっており、これを過ぎると、いくつかの追加徴税を受けることになります。
申告の際に記入するのは、主に、申告書の11表です。しかし、申告書は全部で15種類と付表、それに伴う添付書類もたくさんあり、それぞれが異なる役割を持っているため、初めてみると複雑でよくわからないと感じるかと思います。
15種類全部提出が必要な人は滅多にいませんが、混乱しそうな場合には、税理士などの専門家に相談しながら進めていくと記入を間違える心配も減り、無駄が省けます。