相続税額の計算は知識がないとなかなか難しい
相続税額の算出はまず「正味の遺産額」を計算したのち、その金額から基礎控除額を差し引いて「課税遺産総額」を計算します。こうした相続税の総額は、相続人全員が負担すべきトータルの税額を示しているものです。つまり、このままでは誰がどれだけ相続税を負担するかはわかりません。
人数や関係で像族税の総額は変わる
そのため、実際の財産取得割合に応じて各相続人に割り振り、一人ひとりの相続税額を計算していきます。このような手順をとるため、相続される財産の総額が同じでも、相続人の人数や、相続人と被相続人との関係が違えば、相続税の総額は変わってくることになります。
たとえば、課税される遺産の総額が3000万円の場合、配偶者ひとりと子どもふたりが相続するケースなら、相続税の総額は400万円になります。配偶者と両親が相続するケースなら450万円になります。各自の相続税額だけでなく、課せられる相続税の合計から変わってくるわけです。
総額を聞いて相続税額の予想を立てる
それぞれの相続割合に応じて相続税の配分を終えた後に、相続人個別の調整を行います。まず、配偶者、子ども、父母以外の者(代襲相続する孫を除く)が相続をするような場合には、税逃れを牽制する目的で相続税額が2割加算されます。
また、配偶者の税額軽減や、未成年者控除、障害者控除など、相続人の続柄やそれぞれの状況に応じて適用される税額控除がありますので、各自あてはまるものをプラスマイナスして、最終的に納付する相続税額を算出していきます。
このような手順で相続税額は計算されるため、なかなか知識がないと事前に準備するのも簡単ではありません。ただ、生前に相続財産の総額だけでも聞いておくことで、相続税額の予想が立てられるようになります。その上で想定よりも多めに貯蓄をしておくといった備えをしておきたいものです。
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