投資財産の評価額の算出法はそれぞれ異っている
老後資金の準備などのために、被相続人が投資を行っていたという例は決して少なくありません。公社債や株式、投資信託など、投資財産にはさまざまな種類があり、それぞれ評価額の算出法は異なります。もちろん残される財産が増えるのは相続人にとっても大歓迎ですが、相続税の申告など、かかる手間が増えてしまうことは避けられません。
投資財産の評価額の計算方法は複雑
投資財産は計算法が複雑なため、間違って申告を行ってしまい、あとで訂正申告を行うことになる場合もあります。そのような事態を避けるためにも、一般的ないくつかの投資財産について、その評価法を確認しておきましょう。
まず、公社債の評価法について。利付公社債と株式の評価法割引公社債に分けられ、上場しているかどうかなどの条件によっても計算法が変わってきます。とはいえ、どれも公社債の最終価格や債券に書かれている額面などが大きく関わるので、その点はすぐにも確認しておいた方が賢明です。
株式の評価額についても同様で、上場しているかどうかで計算が変わります。上場企業の株式なら、公表されている株価から評価することが可能です。しかし、非上場企業の場合、株価だけでなく、会社の業績や配当、利益なども考えなければいけません。
投資財産の評価額は常に変動している
また、同じ非上場企業でも、その規模や、被相続人と相続人がその会社の経営に関係しているかどうかも評価方法に関わります。なお、このうち非上場の中会社は、さらに大中小に分けられ、それぞれ類似業種比準方式と純資産価額方式の割合が変化します。大会社なら前者が多くなり、小会社なら後者が主になります。
ただし、これらの金額の計算には複数の項目が関わり、非常に複雑。無理に計算しようとしても間違いの元になりますので、もし相続財産のなかから非上場株式が出てきた場合は、専門家にその価値を判断してもらうことをおすすめします。
以上のように、投資財産の評価額は多様で複雑な計算に基づいて算出されます。しかし、相続時に問題になるのは計算法だけではありません。株式などの財産の評価額は常に変動しているのです。