老齢基礎年金の額は支給開始時期によって変化
年金の土台ともいえる老齢基礎年金。一番基本的な年金ですが、その金額計算は複雑です。いざ受給となったときに、思ったよりも受給額が低くて肩を落としてしまうことも。その金額を少しでも高くする方法や、各自の生活に合わせた制度なども用意されているので、確認しておく必要があります。
老齢基礎年金は満額から引いて算出
老齢基礎年金は、2017年8月に制度が変更されました。それまでは25年以上保険料を納めていることが求められていましたが、この変更で条件期間は10年に。それ以上納めてさえいれば、65歳の誕生日を迎えた時点で支給を受けられます。
必要な手続きは請求書の記入と提出だけ。誕生日の3カ月前には請求書が封入された案内が郵送されるので、事前に記入し、すぐに手続きできるようにしておくことが大切です。
支給金額は、平成30年4月時点で満額77万9300円。このうち納付を免除された期間や、一部だけ納付していた期間などがある場合、それぞれの期間分に規定の割合をかけ、満額から差し引いて算出します。ちなみに、未納のまま放置した場合、将来年金が受け取れないか、少なくなることとなります。
老齢基礎年金の支給額が増減する
また、老齢基礎年金は繰り上げ受給、繰り下げ受給が可能になっており、60歳から70歳までの間であれば、支給開始のタイミングを自由に調整することができます。支給を前後5年間で調整すると、それに応じて支給額も増減し、最大で30~40%も変わることがあります。
この老齢年金の額の増減はその後の年金すべてに関わるため、老後の生活に与える影響は甚大です。繰り下げ受給する場合は支給開始までの生活費に困らないか、繰り上げ受給するならその支給額で生活できるのかをきちんと確認し、検討しなければいけません。
また、繰り下げ受給をしたことで加給年金が受け取れなくなる可能性もあります。そういった点まで考慮し、老齢基礎年金は後悔することがないように気をつけて選択することが大切です。