荒川憲一がファミコンで音楽を作るのは初めて
荒川憲一さんはPC-98 時代に大ヒットした美少女ゲームシリーズ『VIPER』で音楽を担当し、コンシューマ業界に入ってからは『ゲーム天国』(SS 版・PS 版)などに参加してきた人物。荒川さんのゲーム体験から音楽制作への想いまで、RIKIがインタビューでいろいろ聞いていきます。
荒川憲一と梶原正裕の交流とは?
RIKI 荒川さん、ようやくお会いすることができました。これまでインタビューや写真掲載は、これまでほとんどなかったそうですね
荒川 レアキャラです。ライブもしないしイベントにも出ないし。いまは他の作家さんたちがどんどん前に出ておられ、すごいなぁと思っています。
RIKI ゲーム音楽家に脚光が当たる、うれしい時代が来たなと思ってるんですよ。荒川さんは『8BIT MUSIC POWERENCORE』の依頼が来て、どう思いましたか?
荒川 このシリーズは知っていて、僕も呼んでほしいと思っていたんですよね。ニュースにもなっていましたし、知り合いの梶原正裕さん(ゲーム音楽家。『プリンセスメーカー』シリーズで知られる)が参加されていましたから。
RIKI 梶原さんと交流があったんですね。
荒川 長い付き合いなんです。高校生のころ、梶原さんが作ったPC-88用FM音源ドライバー『PMD』を手に入れて、それで作った曲をフロッピーで送りつけたんですよ。
荒川憲一が作るファミコン音楽
RIKI いきなり音楽を? 熱いですね!
荒川 そういう変な子だったんですね。そこから交流が始まりました。『8BIT MUSIC POWERENCORE』の参加者は、上の世代の憧れの方々から、下の世代の若いチップチューンの方々までいて、うらやましいなと。
RIKI 荒川さんは、ファミコンで音楽を作るのは初めてだったそうですね。
荒川 ファミコン世代ですが、音源についての知識はあまりありませんでした。それで「ファミコンの音楽ってどうだったっけ」と思って、ミニファミコンを買ったんですよ。いま改めて聴くと、やっぱり発見がありましたね。素直なものから凝ったものまでいろいろで、工夫できるんだなぁと。
RIKI MMLへの移植は他の方にお願いしたんですが、きっちりファミコン音楽の制約の中で作っていただいて。
荒川 プログラム的な知識が足りず、自分でMMLを打つところまではできませんでしたが、そのままファミコンで鳴らせる曲にはできたかなと思います。