葬儀社選びは費用の安さより内訳が明確かどうか
人が亡くなったときに必要なのは公的な手続きだけではありません。残された人が気持ちの整理をつけるためにも、弔いの儀式である葬儀は、重要な役割を持ちます。とはいえ、葬儀を何度も経験しているという人は多くないはず。そこで、葬儀社選びをするときのチェックポイントを見ていきましょう。
葬儀社を選ぶうえで考えるべき基準
ひとりの参列者として参加していても、葬儀までにどんな手続きや準備が必要なのかは詳しく把握していない人が大多数だと考えられます。人が亡くなってから葬儀を行うまでには、いくつもの手順が必要です。
身近な人を亡くして悲しみに暮れているうえに、専門的な知識もない遺族が、すべてを滞りなく行うというのは至難の業でしょう。そのため、これらをサポートする葬儀社をどう選ぶかが重要なのです。
葬儀社を選ぶうえで考えるべき基準のひとつに、その会社のタイプや規模、専門としている業務などがあります。たとえば、その会社が葬儀専門なのか、冠婚葬祭を全般的に行っているのか、全国的に展開している会社なのか、地域密着型なのかなど。当然規模が大きい方がサービスは豊富ですが、費用は高くなりがちです。
また、自社の斎場があるかどうかという点も重要です。斎場をレンタルして使用する場合、その分の費用で当初のプランよりも高くなるかもしれません。これらのポイントを押さえ、自分の条件や費用に合う会社を選ぶ必要があります。
葬儀社選びでのチェックポイント
葬儀社選びでのチェックポイントは費用の安さよりも、その費用の内訳が細部まで明確に記載されているかどうかの方が重要になります。
また、一方的にプランの説明をするだけでなく、こちらの希望をきちんと聞いて対応してくれ、ほかの葬儀社も含め、いろいろな選択肢を提示してくれる会社の方がいいでしょう。当然ながら、個人情報守秘義務を守らない会社は避けなければいけません。
葬儀社の見当をつけたところで相談と見積もりの依頼を行うのですが、そのときに対応する担当者が、信頼して任せられるような人物かどうかを見極めるのも大切なポイントです。
いくら費用が安くてサービスが合っているといっても、大切な人を見送る葬儀を一緒に執り行うからには、人としても信頼できなければいけません。人も会社も、きちんと慎重に見極める必要があります。
ただし、故人が生前に葬儀社と契約をしている場合もあります。遺族に迷惑をかけまいと、相談せずに準備を進めていることも少なくありません。心当たりの知人に尋ねたり、契約書が残されていないか調べておくことをおすすめします。
葬儀社にまずは遺体の搬送のみを依頼
ここまで葬儀社選びのポイントを紹介してきましたが、実際に葬儀社に連絡をするのは故人が亡くなったあと、遺体を安置してからにするべきです。
自宅での安楽死などを望んでいる場合などを除き、大半の人が最後の瞬間を病院で迎えることでしょう。病院外で事故を起こしたとしても、多くの場合はすぐに病院に運ばれ、そこで亡くなります。その後遺体を搬送するのですが、病院としては遺体をいつまでも置いておけません。
そこで病院側は、搬送を行う葬儀社を紹介します。しかし病院が紹介する会社は、多くの場合、社員を病院に常駐させており、費用は割高になりがち。質が悪いとは限りませんが、慌ただしいなかで紹介され契約した会社では、不満を感じることもあるでしょう。
そこで、その会社に任せられるかどうかを判断するために、まずは遺体の搬送のみを依頼してみることをおすすめします。そこでの対応で信頼できる会社だと感じれば、正式に見積もりを依頼すればいいのです。
葬儀社は、基本的に遺族の味方です。しかし一般的に、遺族は費用の相場や用意されているサービスについて、詳しくは知らないもの。そのため、実際には不要なサービスで費用がかさんでしまうことも少なくありません。
大切なのは、金額に対して納得して依頼しているかどうか。予め必要な条件を決め、いくつもの会社で相見積もりをとり、費用も含めて納得して任せられる葬儀社を選ぶようにしましょう。