葬儀費用が相続財産から控除することができる件
日本では、誰かが亡くなったときに葬儀を行ってその死を悼み、一族のお墓に納骨して供養するという形式が一般的です。これは儀式として行われることで、ほとんどの人がその流れに従っているようです。おそらく、親の葬儀などで誰もが一生に1度は体験することと思われます。
葬儀費用をかけて相続税の負担を減らす
このようなかたちの葬儀に関しては、費用が高額になりがちですが、じつはこの費用は節税に利用することができるのです。ここからは、どのように節税になるのか、その仕組みを解説します。
身近な人を失うと、深い悲しみに沈む間もなく、役所への届け出などの手続き、親族への連絡、供養のための準備と、することが多くなります。そのため、どうしてもその後の相続や税金のことまで意識は回らなくなります。
しかし、相続税の負担を少しでも減らしたいと考えるならば、葬儀にはできるだけ費用をかけた方がいいかもしれません。なぜなら、葬儀費用は相続財産から控除することができるからです。
葬儀費用が多いほど相続財産の総額減少
相続税を計算する際は、最初に正味の遺産額を算出することになります。この金額を出す際に、相続財産の合計から差し引かれる金額のひとつが、葬儀費用なのです。そのため、葬儀費用が多くなればなるほど、相続財産の総額が減少し、相続税も安くなります。
もちろん、葬儀の規模や内容は、故人の遺志や家族の意見をもとに決めるべきです。節税のために、故人の意に沿わないかたちで供養するのは本末転倒です。ただし、葬儀に費用をかけることで節税になるとわかっていれば、費用をかけてしっかりとした葬儀をしたいという思いにも理由付けができます。
ちなみに、葬儀費用の控除額には明確な上限が設けられていません。平均的な葬儀費用は200万円前後といわれていますが、生前それなりの地位にあった方なら、1000万円以上をかけることも珍しくないはず。それだけのお金を使っても、控除の対象となる葬儀費用については相続財産から差し引くことができるので、申告時にしっかりと申し立てたいところです。