葬祭費給付金制度と埋葬費給付金制度の請求期限
高額な費用が必要となることがある葬儀や埋葬。その費用は各種保険から援助を受けることができるのです。申請すれば葬儀費用として補助金が受け取れます。葬祭費給付金制度と埋葬費給付金制度について見ていきましょう。義明さんの家庭では、10年ほど前に母が、5年ほど前に父が亡くなっています。
葬儀にはかなりの費用がかかった
義明さんはひとりっ子だったため、父が亡くなったときは喪主を務めることになりました。母が亡くなったときは父が喪主を務めていたため、亡くなってからの手続きはわからないことだらけです。
そのため、義明さんは葬儀のほか、親族への連絡、その後の法要などを、実家の近所に住んでいた叔父に手伝ってもらいながら、どうにか進めていったのです。葬儀にはかなりの費用がかかりました。義明さんはその準備を事前にほとんど考えていなかったため、急いで必要な費用などを確認しながら、どうにか乗り切ることができました。
その後、実家の遺品整理などを行ったのですが、相続人は義明さんひとりなので、相続で問題になるようなことはありませんでした。預貯金以外にも、父が残してくれた自宅があったため、わずかながら相続税はかかったのですが、申告手続きや実家の登記についても、近所の司法書士に相談しながら済ませることができ、相続税も無事に納付ができました。
葬祭費や埋葬費には給付金制度がある
こういった手続きも終わり、一周忌の法要も済ませてようやく一息ついたころ、義明さんは、職場で親しくしていた同僚の父が亡くなったということで、葬儀に参列することに。喪主として忙しそうにしている同僚をみて、自分のときも大変だったなとそのときのことが思い返されました。
そして、諸々の手続きが終わった同僚を、労をねぎらう意味も込めて飲みにいこうと誘ったのです。ところが、同僚と葬儀などについて話していたところ、思わぬ話を聞かされることになったのです。
その話とは、葬儀にかかわる費用のこと。葬祭費や埋葬費については、健康保険による給付金制度があるというのです。義明さんはこのことをまったく知らず、当然そんな給付を受ける手続きはしていませんでした。
そこで後日この制度について調べてみたところ、2年間という請求期限はあるものの、まだ数カ月は猶予があり、義明さんも請求できるということが判明。金額は7万円ほどですが、思わぬところから給付を受けることができたのです。