被相続人の戸籍を集めるのは思った以上に手間?
相続人を特定するためには、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍をすべて取る必要があります。被相続人が本籍地で生まれて死亡したようなケースでは、ひとつの役所ですべて揃うこともありますが、そのようなことはごく稀。生前引っ越しのたびに本籍地の変更を繰り返す人は少なくありません。
出生時の戸籍謄本にたどりつくまで
小幡学さんのお父さまもそのひとり。息子の学さんは、まず最初に、亡き父の最後の本籍地がある役所を訪ねました。
窓口で戸籍謄本を請求し、そこに記載されている「従前戸籍」(本籍が変更になる前の戸籍)を確認しました。そこには「鹿児島県△市」とあり、遠方のため、郵送にて戸籍謄本を取り寄せることに。
そこで必要になるのは、役所所定の請求用紙(ダウンロード可)、本人確認のため身分証明書のコピー、戸籍謄本のコピー、定額小為替、切手を貼った返信用封筒など。その作業を出生時の戸籍謄本にたどりつくまで繰り返すのです。
戸籍集めの作業にかなり手間がかかった
学さんは結局3回の郵送申請で父親の出生までの戸籍を集めることができました。よかったのは、町村合併により消滅した役所や、戦争で消滅した戸籍がなかったことでしょうか。
しかし、ここまででも時間と費用がかかったのは事実。ただ、学さんが、一番苦労したのは、古い戸籍に書かれた文字でした。
現在の戸籍は電算化されているので読みやすいのですが、古い戸籍は手書きで、筆跡が乱雑だったり、漢字が旧字だったりくずし字だったりでなかなか読めず、それを調べたり、何度も電話で問い合わせることになったのです。すぐ終わると思っていた戸籍集めの作業にかなりの手間がかかってしまいました。
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