調味料(アミノ酸等)は大量摂取で灼熱感
加工食品の原材料名でよく見かけるのが「調味料(アミノ酸等)」という表示です。この調味料(アミノ酸等)は、それが添加されていないとおいしくないと感じてしまう味音痴を生み出す問題があります。さらに、調味料(アミノ酸等)は大量摂取すると灼熱感や胸痛などが起こることもあるのです。
調味料(アミノ酸等)の高い安全性
調味料(アミノ酸等)は、L-グルタミン酸ナトリウムをメインとしたものです。L-グルタミン酸ナトリウムは、もともとはこんぶに含まれる旨味成分。現在は、サトウキビなどを原料として発酵法によって製造されています。
その由来から、安全性は高く、動物実験でも毒性はほとんど認められていません。しかし、人間が一度に大量に摂取すると、人によっては、顔から腕にかけての灼熱感やしびれ、あるいは動悸などを感じることがあるのです。
このことが初めて分かったのは、1968年、アメリカのボストン近郊においてでした。当時、その地にあった中華料理店で食事をしていた人たちが、急に顔面や首、腕にかけての灼熱感やしびれ、さらに動悸やめまい、全身のだるさなどを訴えたのです。
大量の調味料(アミノ酸等)で胸痛
原因が追究されて、その店のワンタンスープに多量に入っていたL-グルタミン酸ナトリウムによるものではないかと推測されました。そこで、ヒトに対する臨床試験が行われたのです。
その結果、空腹時に多量のL-グルタミン酸ナトリウムを摂った場合、15~25分後に一部の人で、灼熱感や顔面圧迫感、胸痛などが起こることが分かったのです。なお、この症状は、「中華料理店症候群」と名付けられました。
こんぶに含まれるL-グルタミン酸ナトリウムは微量なので、小腸で消費されます。ところが、加工食品に大量に調味料(アミノ酸等)が添加されていた場合、小腸では消費しきれずに血液中に入って、顔や肩、腕などに灼熱感やしびれ、さらに動悸などを起こすと考えられます。