いつの間にか相続人になって負債の督促状が来た
いつのまにか見ず知らずの人の相続人になっていて、相続するのが負の遺産の場合はどう対応すればいいのでしょうか。具体的な事例を見ていきましょう。里美さんは小学生から独り立ちするまで、ずっと母子家庭で育ちました。父親は幼いころに亡くなっており、ずっと母の実家で育てられてきたのです。
相続した負債の支払いを促す督促状
そんなある日、里美さんの元に一通の郵便が届きました。差出人は、とある金融機関。里美さんはその金融機関と取引を行った覚えがなかったため不審に思ったのですが、とりあえず開けて中身を確認してみることにしたのです。
そこに収められていたのは、なんと里美さんが相続した100万円近い負債の支払いを促す督促状でした。それによると、負債を抱えていた被相続人は里美さんの父方の叔父だということです。
里美さんがその叔父と会ったのは、幼いころに父に連れられて実家へ行ったときだけなので、顔すらも覚えていません。どうして自分が相続人になるのかと理解ができなかった里美さんは、すぐに実家の母に連絡しました。
相続放棄の期限は知った時点から3カ月
話を聞いた母が父の実家に確認したところ、叔父が半年ほど前に亡くなっていたことと、かなりの借金を抱えていたため、その妻と子どもとが相続放棄の手続きを行っていたことが明らかになったのです。
里美さんは、相続放棄の期限は3カ月以内だと聞いていたため、大急ぎで弁護士に相談したところ、相続放棄の手続き期限は、相続開始を知った時点から3カ月以内なので充分に間に合うとのこと。里美さんはすぐに手続きを行い、無事に相続放棄をすることができました。
もしこの相続放棄の期限について知らず、手続きをせずに支払ってしまっていたら…そう考えると、里美さんは、背筋が冷たくなる思いでした。
記事カテゴリ: カルチャー