財産評価で上場株式は死亡日の時価から判断
相続を行う際には、どれくらいの財産を相続したのか、それを相続した結果として相続税はどれくらい納めることになるのかを申告しなければなりません。しかしそのためには、被相続人が残したさまざまな財産について、相続上の評価額を明らかにしなければならないのです。
財産評価は種類によって細かく規定
相続財産には、不動産や預貯金、株式のほか、貴金属、書画・骨董などが含まれます。相続税額を計算する際は、それらの財産の価値を金銭に換算する必要があります。しかし、その金額をどのようにすれば算出できるのかは、知識がなければなかなかわかりません。そこで、その換算の方法を紹介します。
相続税は基礎控除額以下であれば課税されず、手続きも一切必要なくなります。従って、まずは相続財産の評価額を計算して、課税されるのかどうかを見極めることが重要になります。
それらの相続財産の評価ですが、財産の種類によって細かく規定されています。預貯金は、相続や遺贈のあった日の預入残高が評価額です。また、定期預金などは残高だけでなく、相続開始の日に解約するとした場合に支払いを受けることができる既経過利子(源泉徴収額を差し引いた額)も含めて評価されます。
また、相続財産のなかには、株式のように価値が変動するものが少なくありません。そういった財産の評価は、原則として被相続人が死亡した日の時価から判断されます。
原則的評価方式にはさらに3種類の方式
所有していた株式が上場企業のものであれば、被相続人の死亡日の最終価格か、死亡した月の最終価格の平均額、死亡前月の最終価格の平均額、死亡前々月の最終価格の平均額の4つのうち、もっとも価格が低いものを基準に考えることになります。
これに対して非上場企業の株式の場合、原則的評価方式と配当還元方式とよばれるふたつの評価方法で計算されます。
原則的評価方式にはさらに3種類の方式があり、どれが適用されるかは、被相続人が株主として経営に影響力を持つ存在だったかどうか、会社の規模がどのくらいかなど、いくつかの条件によって決定されることになっています。
この計算はかなり複雑なものになるので、確実に詳細を知りたいときは、税務署などに問い合わせるのがベターでしょう。